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第八十八話
私、美喜は唖然とした。
まだ、私が話をしている途中だったのに電話が切られた。
「何も分かってない、父さんの馬鹿!!」
スマホを怒りのままに投げ飛ばしてしまった。
なにが不自由しない様にする。だ。
私の意志を無視している時点で不自由しているというのが父さんは分かっていない。
「もういい。私、本気で怒ったんだから」
急いで出かける準備をした。
もちろん。父さんにガツンと言ってやる為である。
「美喜ちゃん、どこか行くの?」
玄関で祖母から声をかけられた。
「父さんに、文句言いに行ってくる」
「分かったわ。気を付けて行ってらっしゃい。後、これ。お小遣い。無駄遣いしちゃ駄目だからね」
「・・・あ、ありがとう」
てっきり、父さんの元へ行くの止められるかと思ったが、むしろ祖母は、後押しするようにお金までくれた。
「それじゃあ、行ってくる」
「えぇ。行ってらっしゃい」




