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第八十七話
ゴンドラから降りた後、まるで何もなかったかの様に緩奈は「次、行きましょう」と言い、遊園地を堪能した。
「一通り、乗りましたね」
「うっぷ。あぁ・・・そうだな」
キモチ悪い。
「卓也さん。大丈夫ですか?」
心配そうに顔を覗き込んでくる、緩奈。
心配してくれるのはいいのだが、キモチ悪くなったのは緩奈のせいである。緩奈が全力でコーヒーカップを回転させたせいで酔ったのだ。
「あそこのベンチで休みましょうか」
「うぅぅ・・・そうしよう」
近場にあったベンチで休む。
「卓也さん。水です。どうぞ」
「ありがとう」
緩奈がくれた水を飲んだ。
その水を飲んだ直後、意識が遠くなって沈むような感覚に落ちていった。
* * * *
「卓也さん?」
「・・・」
卓也さんに声をかけても、反応はなかった。
どうやら薬が効いたようだ。
「卓也さんが、悪いんですよ」




