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第七十六話
「え、何ここ?」
ポカーンと驚く俺。
緩奈に連れられ、やってきたの遊園地。だったはずだが、目の前にある建物は廃墟。
「お化け屋敷です」
お化け屋敷か。
確かにドキドキする所ではあるが。
「・・・絶対に入りたくないんだけど」
「卓也さん。ここ、本当に出るらしいですよ」
嫌がる俺に対して、更に追い打ちをかけてくる緩奈。
「ほっっとうに、お化けだけは・・・」
情けないおっさんである。
だが、苦手なものは苦手なのである。
「そんなにお化けが苦手なんですか?」
「あぁ、だから――」
「チケットは大人二人で、お願いします」
問答無用と言わんばかりに入場チケットを購入する緩奈。
「さぁ。入りましょ!」




