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第七十五話

 緩奈と手を繋いで街を歩いていた。

 三回目になると人は慣れる。訳もなく、慣れたというよりもやけくそみたいな感じである。


 「・・・さっきの人たちに何言ったの?」

 

 「秘密です」

 

 さっきの人。待ち合わせ場所で緩奈をナンパしていたチャラ男たちの事である。

 緩奈が「ちょっと来てください」と言い、チャラ男たちを連れて少し離れた場所で何かを言うと、戻って来た時には「邪魔して、すいませんでした」と謝罪された。 


 「・・・緩奈のお父さんには、なんて言って今日は来たの?」

 

 「それも秘密です」


 緩奈の父にこの関係がバレているのにどうやって、緩奈は家を出たのか気になっていたが、緩奈は答える気はなさそうであった。


 「この前の後、大丈夫だった?なんと言うか、お父さん結構、感情的な感じだったからその・・・」


 「ごめんなさい。秘密です」


 「・・・」


 秘密が多いな。

 本人が話したくないと言うのなら聞かないけど。


 「今日のデートはどこに行くの?」

 

 デートプランは全て緩奈が考えて来ている。だから、これからどこに行くのかも分かっていない。

 正直、聞いたのはいいものの「秘密です。着いてからのお楽しみです」と答えてくると思っていたら、違うかった。


 「ドキドキする所に行きます!」

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