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第七十四話

 遂にこの日が来た。

 土曜日。

 今日で、緩奈とのデート三回目。

 妻に、また休日出勤になったと嘘を言い、待ち合わせ場所に行くと既に緩奈が待っていた。

 

 「綺麗だね」

 

 「・・・」


 「よかったら、俺たちと遊ばない?」


 「私、彼氏を待っているんで」

 

 緩奈は、金髪のチャラ男数人からナンパを受けていた。

 

 「いいじゃん。家まで迎えにも来てくれない彼氏なんておいて、俺たちと遊ぼうよ」


 「嫌です。・・・あっ。卓也さん」

 

 俺が待ち合わせ場所へ来たに気づいて手を振る緩奈。

 

 「ぷっ。こんな可愛い子の彼氏だから、どんなイケメンかと思えば、おっさんじゃん。おい、おっさん、いくら金を積んで今日はデートしてるんだよ」

 

 いきなり、チャラ男たちに絡まれた。

 なんとも幸先の悪く、最後のデートがスタートした。

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