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第六十八話

 「えっと。そこに座るの?」


 「いけませんでしたか?」

  

 娘と男が隣同士に座って向かい側には父親。

 この感じ、初めて妻の両親に結婚の挨拶をした時に似ている。


 「それで、どういう二人はどういう関係なんだ?」


 「恋人」


 俺が答えるより先に緩奈が答えた。


 「こ、恋人。・・・私と同じくらいの年齢だと思おうのだが」


 「だから、何?」

 

 「おかしいだろ」


 「おかしいって何が?」

 

 「普通に考えてだな。・・・」

 

 バチバチだった。

 店に配慮して、大きな声は出さなくなったものの話は徐々にヒートアップしている。

 

 「今どき、歳の差を気にするなんて馬鹿じゃない!」

 

 いつもの緩奈ではなかった。

 道徳さんと話しをしている緩奈はまるで人が変わったかのようだ。

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