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第六十七話
「何故、ここにいるんだ!?」
緩奈が居る事に驚く、道徳さん。
「部屋の鍵はどうしたんだ?」
「どうでもいいしょ。てか、私の携帯返してよ!」
「どうでもよくない!」
目の前で突如始まった親子喧嘩。
俺は完全に蚊帳の外。
「お客様!」
また、店員から注意されてしまった。
このままではカフェから叩き出されてしまいそうだ。
「落ち着いて話をしましょう」
カフェに、これ以上迷惑をかけるのはよくないと原因の一端もある俺が、口論する二人を止めに入るしかなかった。
緩奈は「卓也さんが、そう言うなら」と父親の向かい側である、俺の隣に座った。




