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第五十八話

 「おい。どうすんだよ?」


 隠れるのを止め、飛び出した俺に続き、弁護士の友達も出て来た。

 

 「さ、卓也さん。これはですね。その。この人とは、別に親しい関係って訳ではなくて、えっと。なんでしたっけ?」


 あたふたする緩奈。

 その様子を見て、浮気相手は俺が何者なのかを察した。

 

 「えっと。もしかして。学校の先生的な人?いやー。ちょっと、遊びに行った帰りなんで、家の近くまで送ってあげようと思っただけで、決してやましい事は何もしてませんから。それじゃあ」


 勝手に勘違いして、分が悪いと思ったのか。浮気相手は止まっていた車にそそくさと乗り込み帰って行った。


 「・・・帰るか」


 俺もこの場を後に・・・。


 「卓也さん。一緒に帰りませんか?」

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