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第四十五話
「デートしたくありません」
「へぇー。いいんだ?この写真をバラまいても」
断ると、男は写真をテーブルに出して、脅してきた。
「いいですか?私、あなたの浮気写真を持っているのに」
私も、脅し返すも、男はキョロっとした感じであった。
「うん?それって、もう意味ないよね」
「はい?」
言っている意味が分からなかった。
「分からないって顔をしてるね。簡単な事だよ。俺はもう終わってるんだ。君がさっき言ったじゃないか、友達として相談を頼まれたって。という事は、娘の美喜に浮気がバレているのは確定。なら、娘から父である旦那に浮気がバレているんじゃないかな。もし、まだ、バレていなくても、いずれバラされる事になるんなら、その写真を俺が必死になって誤魔化したり消しても手遅れなんだよな」
自慢げに推理を解説するように話す男。
ここまで、長く喋っていたが、要はやけくそだというのだろう。




