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第四十話
忍び足で、廊下を歩き、リビングの扉前まで来た。
後は、扉を開けて決定的な写真を撮るだけ。
「(・・・ゴクリッ)」
ゆっくりと扉を開き。最小限の隙間を作り出し、カメラを向けた。
カシャ!
「(え?!)」
シャッター音が鳴り響いた。
「(私のスマホのシャッター音は消してはずなのに)」
カシャ!
再びシャッター音が鳴り響いた。
どうやら、シャッター音は、私のスマホからではなく、浮気相手のスマホからだった。
リビングからは「やだぁ。恥ずかしい。こんな様子撮らないでよぉ」という声。
「(・・・)」
ドン引きをしつつも私は、目的を達成させて、美喜が隠れている部屋に戻り、美喜と一緒に卓也さんの家から脱出した。
* * * *
行為を楽しんでいる最中。
「(誰?)」
リビングの扉を少し開けて、知らない少女がこちらにスマホを向けているのに気づいた。




