第三話
休日。待ち合わせの場所に行くと、既に少女はそこで待っていた。
「もぅ、遅い」
「・・・・」
「なんだか不満そうだね」
「お前のせいだろ!」と言い返す事は出来ず、俺は「ごめんごめん」と謝る。
俺は少女に呼び出され、初めて妻に会社に行くと嘘を言って家を出た。
「あのさ。やっぱり良くないからさ・・・」
「へぇ。約束破るんだ」
少女は自身のスマホにある画像を映して、こっちに見せつけてきた。
「おい!人がいるんだぞ」
焦る俺。
スマホに映るのは、俺が少女の胸に触ってしまった写真。
「警察に出したら、どうなるんだろうね?」
「分かったから、スマホを仕舞ってくれ」
「はーい♪」
俺は満員電車で撮られた写真で脅されている。
写真を撮った後、少女は強引に連絡先を交換し、休日の今日、デートをするように指示してきた。
冷や汗が止まらない。
おっさんとJKの二人が、街を歩くんだぞ。いつ、警察に援交していると通報されるのか分かったものではない。
だが、こんな関係も三回まで。
少女は三回デートをして、俺を振り向かせる事が出来なかったら写真を消すと宣言したのだ。その代わり、俺はデート中、ちゃんと彼氏の様に振舞う事という約束をさせられた。
「そういえば、私の名前、まだ言ってなかったね。神崎 緩奈って言います。これからよろしくお願いします」