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第二十九話

 娘が家に帰って来た。

 送るってくるだけにしては、遅かったので少し心配して何を話していたのかを声をかけた。


 「父さんの迷惑になることは話してないから安心して、ただちょっと釘を刺しただけだから」


 「刺したの?!」


 「・・・父さん。まさか、本当に刺したと思ってる?」

 

 冷たい目でこっちを見てくる。


 「いや。そ、そういえば、今日は平日だろ。お前、学校はどうしたんだ?」


 慌てて、話題を変えた。


 「休んだ」

 

 平然と休んだと言われたが仕方ないと思う。

 こんな家庭の危機の中で勉強するなど気が気でないだろう。


 「おばあちゃんには、声をかけたのか?」

 

 一瞬だけ、娘は黙り込んだ。


 「・・・父さん。なんで、助けに来てくれなかったの?私、おばちゃんと仲が悪いの知ってたよね」


 「え?!だって、連絡した時は、一言も・・・もしかして、スマホは?」


 「取り上げられた。そうなんだ。大方おおかた、大丈夫的な連絡を私のスマホから受けてたんだ。それなら仕方ないね。父さんに落ち度はないよ」


 納得する娘に謝罪した。


 「すまなかった。まさか、そこまで嘘を付いてお前を実家に連れて行こうなんてするとは思ってなかった。何もされなかったか?」


 「いいよ。父さん。謝らないで。悪いのは全部、母さんの方なんだから。それで、どうするの?母さんとはこれから再構築するの?離婚する気なの?まさか、このまま知らなかったふりをして、生活を続ける気なの?」


 質問攻めをしてくる、娘。

 これからの人生が大きく変わる出来事になるのだ。


 「知らなかったふりを続ける気はない」

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