第二十七話
父が怒ったのを初めて見たのは、中学に上がってすぐの頃だった。
その頃は、母方の実家が徒歩数分の位置にあった。
毎日の様に、おばあちゃんが家に来ては、私の進路や友達関係に口出ししてきた。
挙句、おばちゃんが進める中学校に進学しなかったのに対して、不良少女だ、なんたらと言ってきた。母は、そんなおばあちゃんの味方をする。
私は家にいるのが嫌になり、夜遅くまで外をウロウロし続けた。
夜遅に外で遊ぶ際につるむ仲間と言えば、まぁ。はっきりと言えば、不良だ。私はグレて、おばちゃんの言う通り、不良少女になっていた。
父が怒ってくれるまでは。
* * * *
近場のファミレスに卓也さんの娘さんと来た。
もちろん、話をする為だ。
「ドリンクバー二つと期間限定ストロベリーパフェ一つ、以上、で・・・すいません。何か注文しますか?」
娘さんが私にも何か頼むものがないかと聞いてきた。
「いや、私はドリンクバーでだけで」
「ここの期間限定パフェ。凄く美味しいですよ」
「・・・じゃあ。それを」
「すいません。二つずつに変更で」
店員さんが注文を取り終わり、厨房へと戻り、私と娘さんはセルフになっているドリンクを取りに行った。アイスコーヒーを少し飲んだ後、娘さんが話を始めた。




