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第二十六話
気まずい。
非常に気まずい状況になった。
卓也さんの家から帰る中、隣に一緒に歩いている人がいる。卓也さんの娘さんだ。
娘さんは帰ろうとする私を送ると言って付いて来た。
もしかして、私の家を探している?
なるほど。と思った。
付いて来た理由が分かった。
私の親に言いつける為。
それもそうだ。じゃないと、父親の事を脅して、デートをした私と一緒に歩くのも嫌だろ。
勝手に納得していると。
「別にあなたの親に何か話すつもりはないから、安心して」
考えていた事を見透かされた。
「あなたの親に言いつけたりしたら、私のお父さんも危ないだから。ただ、私はあなたと差しで話をしたかったの」




