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第二十一話
「・・・そこまで言うなら、分かりました。帰ります。でも、その前に、せっかく作ったんですから、おかゆ。食べませんか?」
「分かったよ。後で食べるから、テキトーな所に置いといてくれないか」
やっと帰ってくれると思い、ホッとしたが、安心するのは早かった。
「後は駄目です。卓也さんの食べた後、洗い物しないといけないですもん。今食べて下さいよ」
「洗い物なんて自分で出来るから大丈夫だから」
「卓也さん。昨日の洗い物が台所に残っていましたけど」
「・・・それは昨日はしんどかったから・・・」
「あーあ。ちゃんと洗って乾かしてなかったから、匂いや汚れが取りずらくなっちゃうのになぁ・・・」
白々しい言い方をする、緩奈。こうなったら、速攻食べ終わって、帰ってもらおう。
「やっと、食べる気になってくれたんですね。それじゃあ。はい。あーん」
「は?」
何やってるのこの子。
「おかゆ。食べてくれるんですよね」
俺が理解できないと戸惑っているのに気づいて答えてくれた。
「ほら、口。開けて下さい。食べさしてあげますから」




