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第十七話
「卓也さん。その・・・大丈夫ですか?」
動物園からの帰り道、緩奈が心配そうに尋ねて来た。
「あぁ。だいぶ服も乾いてきてるから大丈夫だよ」
緩奈を庇って、俺はゾウから水浴びをさせられ、びしょびしょの状態で帰ることになった。
「飼育員のお姉さん。めちゃくちゃ謝ってましたね」
「そうだな」
少し歩くと駅に着いたが、流石に濡れた状態で電車に乗ることもできず、どうしようかと考えていると、緩奈がとんでもない提案をしてきた。
「あそこで、今日は泊まりませんか?」
緩奈が指を指した場所はラの付くホテル。
「無理に決まってるだろ!!俺は服が乾くまで、歩いて帰るから、先に電車で帰ってくれ」
「・・・分かりました」
緩奈は悲しそうな表情で駅に入って行った。
全く、冗談じゃない。この関係だってあと、一回。あと、一回我慢すれば、全てが元通りになる。




