アシッドスライム戦②
アシッドスライムのHPがたったの300ぐらいしか減っていない。
剣の物理攻撃はともかく、俺とミリアの魔法攻撃はかなりのダメージを与えられたと思ったけど、そうでもなかったのか?
いや、攻撃値が1500を超えているアシッドスライムが逃げられないレベルの力を持つ重魔法をくらってこの程度のダメージな訳ない。
回復系のスキルを使ったのか?
それとも防御系のスキルを使ったのか?
まあいい、俺はとにかくアシッドスライをミリアの近くに行かせないのが仕事だ。
本格的に攻撃するのは重魔法で相手の動きが止まってからだ。
さっきのでミリアの重魔法だったら動きを止めれることが分かった。
攻撃値は相手の圧勝だが、スキルと速度値を活かして回避していく。
いつまでたっても倒せないことに焦れたのか、触手の数をさらに増やし合計20本になった。
触手の数が増えたかわりに、さらに細くなり威力が下がったので切りやすそうだ。
一本一本はそこまで脅威ではなくなったように思われたが、俺の万能察知に含まれる気力察知が反応した。
気力察知が反応したということは、相手が気力を使うスキルを使ったということだ。
何を使ったんだ?
鑑定を使い調べてみた。
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名前 なし
種族 アシッドスライム LV51
ステータス
HP 1716/2039
MP 647/1027
SP(瞬発)1207/1823
SP(持久)1296/1964
攻撃値 2627(1642)
防御値 3047(1793)
魔力値 1324
魔耐値 2820(1763)
速度値 946(729)
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剛力、瞬歩、鋼体、身体気力強化、アシッドスライムが使える気力を使用するスキルほとんど使ってるじゃねえか。
元のステータスの原型がないぞ。
いくらSPが高いからといって全て使ったらすぐにSPが切れる。
だがこのステータス差ならSPが切れる前に俺が死ぬ可能性が高い。
だけど、かなりピンチなのに何だろうだんだんワクワクしてきた。
俺が攻撃をくらって死ぬか、アシッドスライムがSP切れで死ぬかそう考えるだけで気分が高揚してくる。
ちょっと前だったら逃げれる可能性にかけて全力で逃げたのに立ち向かうなんて・・・、戦闘狂って怖い。
俺は今まで温存していたMPとSPを使い、補助魔法、身体強化系のスキルを使いステータスを強化していく。
今のこいつは温存したまま戦える相手じゃない。
「ミリア、こいつはさっきと比べかなりステータスが強化された。SP切れになるまで時間を稼ぐぞ」
「はい」
アシッドスライムは20本の触手を10本ずつ左右に分け俺が射程圏内に入った途端、左右の触手を閉じた。
何とか、致命傷は免れたが右肩には大きく爪でひっかかれたような跡があった。
この白いのって骨?
うわー、グロ。
よく見れば触手の先が鋭くとがっている。
再生を使い傷を癒す。
治癒魔法を使って治してもいいけど、治癒魔法は自分以外の傷も治すことができるので、再生に比べMPの消費量が多い。
俺が傷を癒しているのをアシッドスライムは待ってくれず、追撃に触手を俺に向けて突き刺してきた。
後ろに下がろうかと思ったが、危機察知が発動しなんかヤバいと感じて右側に避けた。
攻撃が密集していたら避けれたが、そんなわけなく適度に散らばっており、俺の左腕を貫いた。
触手はさっきの倍以上伸びており、後ろに下がって避ければ攻撃を受けていただろう。
左腕を貫いた触手にまた危機察知が発動した。
またかよと思いながら刺さっている触手を見ると、MPとSPが急速に増加したのが分かった。
「あっ」
バシュン
と変な音を経てて触手が爆発し俺の左腕を吹き飛ばした。
「レサレイン様ーーー!」
あーあ、めっちゃ痛い。
貫かれた時点で痛かったけど、今はもっと痛い。
まさか爆発するとは思わなかった。
魔力放出と気力放射を使って一気に弾き飛ばしたんだろう。
ご丁寧に吹き飛ばしたところを酸にして腕以外にも攻撃できるようにしている。
まあ吹き飛ばしてきた酸液は、防壁でふせいだが。
もし防げなかったらもっとヤバかっただろう。
「大丈夫だ。うおっ」
回復薬を飲みたいところだが、アシッドスライムはそれを許してくれない。
俺が生きていると分かるとさらに激しく攻撃してきた。
何とか再生を使い血を止めたが、腕はないままだ。
「治癒魔法は、いい。MPは全て、重魔法に、まわしてくれ」
腕が無くなり軽くなったのか少しだけ早くなった気がする。
実際は変わっていないと思うけど。
アドレナリンがドバドバ出てるのか?
でもさすがに疲れてきた。
残りSPどれぐらいだ。




