剣の訓練
今日から俺はガレン兄様とレイチェル姉様と一緒に剣の訓練を受けることになった。
「今日からレサレイン様も参加しますので基礎から始めましょう」
教えてくれるのは父親の執事のハマンさんだ。
見た目は二十歳のさわやかそうなイケメンだ。
「え~基礎より実戦のほうが絶対いいって」
「バカ兄上、レインはまだ5歳ですよ」
「兄にむかってバカとはなんだ」
「バカといわれるほうが悪いですわ」
この2人はいっつもこんな感じだ。
昔は姉様も素直に聞いていたが兄様が脳筋だと気づいてからこうなった。
でも、喧嘩もひとつのコミュニケーションとしてとらえてるっぽい。
あと俺は家族からはレインと呼ばれている。
「ではガレン様、ガレン様は私と実戦訓練を行います。その間にレイチェル様はレサレイン様に基礎を教えてください」
「それいいな」
「いいわよ」
「それでお願いします」
初日から実戦訓練って絶対おかしい。
「では最初に剣の握り方から教えます」
「はい」
「両手の指ひとつひとつに力を込めます。次に真っすぐ切る。以上です」
「えっと、姉様それだけですか?」
「それだけです。では実際にやってみましょう」
もっとなんかこう色々あると思っていたけど・・・まっ姉様も子供だしこんなもんか。
そう思うとそのまま俺は木剣を握り上から下へ振った瞬間、
俺の体が吹っ飛んだ。
「・・・え?」
ドサッ
「いったー!」
「振り方が全然違います」
姉様は木剣を振り切った状態でそういった。
「姉様なんで木剣でたたいたんですか!」
「振り方が全然違うからよ」
とんでもないスパルタ教育だ。
え?間違っただけで木剣でたたくの?
ヤバい、今のでHPが1割無くなった。
姉様の訓練なんかできるか兄様の実戦訓練のほうがまだましだ。
と思いそのまま逃げだそうとすると。、
「どこに行くのレイン」
先回りされていた。
「えっと、兄様の実戦訓練のほうに行こうかと思いまして」
「実戦訓練はレインにはまだはやいわよ、先に基礎を終わらせてからね」
いや無理だって、だって一撃でHP1割無くなったんだよ、あと9回くらったら俺死ぬよ。
「いえやっぱ俺は基礎より実戦のほうがまだま、ゴホンゴホン、実戦のほうが訓練になると思うのです」
「そう、そこまで言うなら実戦訓練をしに行きましょうか」
助かったこれで大丈夫だと思い、兄様とハマンさんの所へ行くとハマンさんが兄様を一方的にボコっていた。
いや、よく見てみると当たっているけど兄様にあまりダメージがないみたいだ。
でもハマルさん強すぎね、まだ全然余裕そうな顔してるしそれに1回も兄様の攻撃があったてない。
「ハマンさんって何者?」
「お父様の執事よ」
「そうじゃなくて、なんであんなに強いのって意味」
「それはお父様が眷属にしたからよ」
「え、父上が眷属にしたらあんなに強くなれるの?」
「まあ本人の努力もあるけど、血を濃くしたからね」
と姉様と話していると。
「レイチェル様とレサレイン様がいらっしゃったのでここまでにしましょうか」
「ああ、ハァハァ、そうだな」
そういってガレン兄様が倒れこんだ。
「大丈夫ですか兄様」
「大丈夫よ、毎日あんな感じだもの」
「何でお前が、ハァハァ、言うんだよ」
「レイチェル様とレサレイン様はどうなさいましたか?」
「レインが実戦訓練のほうがいいってゆったからこっちに来たの」
「なるほど、ではレサレイン様始めましょうか」
というと、急に切りかかってきた!
初撃はなんとかガードできたと思ったら急に軌道が変わりそのまま頭に剣の風圧だけが届いた。
「ハマン何でいきなり切りかかってくるの!?」
「実戦ではこれから切りかかるのをわざわざ敵に教えません。逆に実戦訓練を始めようと思ったときに、例えガレン様と私が訓練の最中でも切りかかってほしかったです。では続きを始めましょうか」
その後何度も何度も訓練をして思ったことは姉様よりもハマンさんのほうがある意味スパルタだったことだ。