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女神様に惚れたので異世界で頑張ります  作者: 木川 陸
戦争偏
501/555

新たな魔法

 前回防衛したところにたどり着き改めて接近してくる敵を見るとあまり圧を感じることは無かった。

 数だけでなく質も前回より落ちている。

 やっぱりこの短期間で数万ものスライムを集めるのは無理があったか。

 でも強くなった俺たちなら前より少し楽に戦えるはずだ。


 敵はある程度まで近づくと人は一ヶ所に固まった。

 何かするのかと思っていたら、スライムが動き出した。

 前回と同じように真っすぐここに向かっている、だが敵兵は動いていない。

 数が少ないから一緒に攻めてくると思ったけど、知能がないスライムと連携を取るのは無理か。

 近づくだけで最悪スライムに巻き込まれかねない。


「遠距離攻撃できる者は各自射程に入ったら攻撃しろ!合わせる必要はない。少しでも多くダメージを与えることだけ考えろ!」


 そっか、じゃあそろそろ撃ってみるか。

 今までなら射程範囲外だったが今なら行けそうな気がする。

 この()し(・)い(・)()()なら。

 集中力を高めながら杖にMPを溜める。

 そして必要な量のMPが溜まったと同時に魔法を放つ。


「『氷獄生成』」


 この前ステータスを確認した時、スキル氷雪魔法のスキルレベルが上がり氷獄魔法へと進化していることを知った。

 魔法系スキルは三段階ある。

 例えば氷属性の場合は一段階目は氷魔法、二段階目は氷雪魔法、そして三段階目は氷獄魔法となる。

 どのスキルにも言えることだがスキルレベルが上がりスキルが進化するとより強力になる。

 その三段階目の氷獄魔法は例え最初に使える魔法、一番弱い魔法でも俺が今まで使ってきた魔法の中で一番強いだろう。


 生成した氷は今まで使ってきた氷雪槍のように形状になるよう作ったが内包している力が桁違いだ。

 分かる、これは気軽に使えるような魔法じゃない。

 いつも使う5倍以上のMPを込めたけどたった一本の槍しか作れなかった。

 いつも一回の魔法で複数本の槍が作れるそんな魔法、五回分のMPがこの中にはいっている。


 槍をスライムの中心に向けて放った。

 放たれた槍は真っ直ぐ飛んでいく先頭を走るスライムに命中した、命中したが様子がおかしい。

 特に槍は抵抗もなくスライムの体を貫通して見えなくなった。

 スライムがやられた様子はなく無傷のままに見える。

 これあれか?切れ味が鋭すぎて体が液体状のスライムには効きにくいみたいなやつか?


 新しい魔法は実戦で初めて試すものじゃないな。

 結構MP使ったのに一体も倒せなかったか、少しショックだ。

 一瞬しか触れてなかったけど少しぐらい凍ってくれてもいいのに。


 いや待て、様子がおかしい。

 槍が刺さったスライムを中心に何体ものスライムが動いていない。

 もしかして凍っているのか!?いつ凍った?凍った瞬間が見えなかったぞ!

 それに動きが止まったスライムの近くを通ったスライムがよこを通り過ぎる僅かな時間で動きが鈍りそのまま止まってしまった。


 ヤバい、マジでヤバい。

 触れた相手とその周辺を一瞬で凍らせるだけでなく、後から近づいてきたものまで凍らせるとかヤバすぎるだろこの魔法!

 さすが最終進化のスキル!しかもまだスキルレベル1しか成長してない。

 この強さでまだ伸びしろがある!


 俺が新たな魔法に興奮している間もスライムが次々と押し寄せる。

 再び氷獄生成を使おうかと思ったが周囲の様子を見るにあまり強いスライムではない。

 今度は氷雪槍を飛ばしスライムの耐久を調べたら、槍が3回でも命中すれば死んだ。

 弱いな、氷獄魔法だと過剰威力か、氷雪魔法だけで十分だ。

 それにしても今回スライムの形できたのは擬態する必要がなくなったからじゃなくて、できないだけかもしれないな。


 スライムはもはやこの部隊の脅威ではなく、簡単に倒せる存在だった。

 その後約25000のスライムは1体も砦にたどり着くことなく全滅した。

 スライムを倒し続けて数時間、部隊の人員はかなり体力を消耗したが離れた距離にいる残り5000程度の兵が攻めてきても戦える程度の力は残っている。

 敵は何度か偵察を出したがそのすべてが迎撃されると急いで撤退した。

 追撃したかったが、5000の兵を追撃するには最低でも2500人以上は必要だ。

 今の砦内にはそれほどの戦力を出す余力は残っておらず追撃できなかった。


 二度の進行をはねのけたが敵はこれで諦めたとは思えない。

 再び軍を引き連れて戻ってくるだろう。

 次の戦いはどうなるか分からない、もし強敵が現れた際対抗できるよう氷獄魔法の練習をしておかないとな。

 まだ氷獄魔法を使いこなせたわけじゃないから、次攻められる前までに完璧に身に着ける。


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