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女神様に惚れたので異世界で頑張ります  作者: 木川 陸
戦争偏
433/555

大戦場⑤

 始まりは敵の大型の魔法道具による一斉射撃だった。

 音から察するに昨日より数が多い、2倍や3倍どころではない、おそらく10倍ぐらいの数があるだろう。

 当たり前か、昨日は戦場に部隊ごとに別れたいくつもあるうちの一つの戦いだったのに対し、今回は味方全員がいる陣地に向けての攻撃だ、おそらくすべての大型の魔法道具を使っているのだろう。


 敵の砲撃と同時に味方からも大型の魔法道具による砲撃が行われるが、数が違いすぎる。

 こちらは十数台にたいして相手は数百台ある。

 おそらくこの大型の魔法道具は帝国が作ったもので、今味方が使っているのは敵から鹵獲したものだ。

 共和国や王国も作れる可能性はあるが、もし作れていたらもっと数があるはずだ。

 最初の撃ち合いはこちらのボロ負けだ、魔法で防いでいたがそれでもすべての砲撃を防げるはずもなく、何十発か味方に直撃した。


 そして、敵が弾を撃ち尽くしたのと同時に突撃するよう命じられた。

 あの大型の魔法道具のリロードにはしばらく時間がかかる。

 その間に距離を詰めて乱戦に持ち込まないと一方的に削られてしまう、活路は前しかない。


 味方の突撃したのを見た敵は大型の魔法道具を奥に隠した。

 そして大型の魔法道具が見えなくなり、それと同時に堀と土の壁が出来上がった。

 堀の深さは分からないが1メートル以上はあるだろう、壁の方は高さは2メートルほどだが厚さはかなりある。

 あれは簡単には壊せないな。


 そして敵は出来たばかりの壁に隠れて魔法を放ってきた。

 それに応じて味方も魔法を放つ、砲撃と違い魔法の数は互角、いや俺たちの方が多い。

 威力は若干弱いが、数でカバーできる。


 敵の魔法は防御系の魔法によりほとんど防ぎ、味方の攻撃は土の壁を破壊した。

 土の壁の表面はボロボロだが、分厚すぎたせいで完全に破壊できなかったか。

 でもあと数回同じ様な攻撃をすれば穴は開くだろう。


 味方は突撃しながら魔法を放ち、壁を破壊しようとする。

 しかし、敵は攻撃を止め壁の修復を始めた。

 おそらく魔法が使える者全員で修復しているのだろう。

 土魔法だけでは足りないと思ったのか、所々に材料が土ではなく氷や木なども混ざっている。


 だがそれでも修復より破壊するほうが早い。

 そしてついに先頭を走る味方がボロボロの壁に向けて斧を振りおろし、壁に穴を開けた。

 他の場所でも同じようなことが起こり壁に次々と穴が開いて行く、もはや修復は不可能だ。

 すでに壁の奥では戦闘が始まっているようで、金属同士がぶつかり合う音や何かが破壊されている音が聞こえる。


 俺たちの進路上はまだ壁に穴は開いてない、だが穴を開けれる人がいる。

 ナファリアさんはさらに加速し、壁に向かって走って行く。

 壁の奥から迎撃するため魔法が飛んでくるが、どれも当たらない。

 そして、ナファリアさんは壁にある堀の手前で跳び、そのまま勢いをつけて壁に向かって刀を振りおろした。


ドン、ドバッ


 大量の土砂が吹き飛び、壁の奥が見えるようになった。

 続けて左右に刀を振るい穴を広げる。

 これで道は出来た、後はそこを通り抜けるだけだ。


 ナファリアさんを先頭に次々と味方が突撃する。

 俺もそれに続き、壁に空いた穴を通り抜ける。

 そして通り抜けた瞬間、いくつもの魔法が飛んできた。

 それらの魔法を防ぎ周囲を見ると、突撃した味方のほとんどがやられていた。

 立っているのはナファリアさんやある程度実力があるもの、あとはあまり強くない者もいたがそれはきっと運が良かったんだろう。


 ひとまず攻撃を防ぎきったが、次から次へと魔法が飛んでくる。

 何とか前に出たいが、敵の数が多い。

 味方もどんどん穴を通って侵入しているが、侵入口で各個撃破されていて数の不利を覆せない。


「『氷雪壁』、『氷雪壁』」


 壁を作って一時的に安全に侵入できるようにするが、すぐに破壊されてしまう。

 破壊される前に新しく作っても、破壊されるスピードの方が早い。

 一旦引いた方がいいな、このままやっても勝てない。

 そう思って、撤退するための壁をつくろうとした瞬間、敵の真下が爆発した。


「えっ!」


 何が起こった!?急に爆発したぞ?

 味方がやったのか?でもあの場所に魔法が飛んで行った気配はない、では敵の魔法は暴発したのか?

 なんで急に爆発したのかよく分からないが、今このチャンスを絶対に逃さない!

 敵が混乱状態に陥っている隙に敵の数を減らし、侵入口付近の安全を確保する。


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