ゴブリン狩り
「やっと着いた」
「やっと着きましたね」
俺たちは、ゴブリンがでるデントの森についた。
レベルを上げるのが楽しみだからか、ここにつくまでの時間が長く感じた。
「じゃあ、さっそく入るか。準備はいい?」
「はい、ばっちりです」
森は十五メートルから三十メートルの木が生えており、森の中は暗い。
まあ、暗視を持っているから意味はないけど。
「ミリア、察知系のスキルに反応があったらすぐに言ってね」
「はい」
いいね、なんか冒険している感じがする。
強くなることが目的で冒険者になったけど、探検とかしていると、少しワクワクしてきた。
それから二十分後。
「やっと、見つけた。あれがゴブリンか」
20メートル先にいたのは、全身が緑色で、身長130センチほど、禿げた頭にとがった鼻、まさにゴブリンって感じだ。
俺たちは、木の裏に隠れている。
ゴブリンは5体いるが、まどこちらに気づいたゴブリンはいないようだ。
まだ相手が気付いてない時は、とりあえず鑑定。
_______________
名前 なし
種族 ゴブリン LV5
ステータス
HP 42/53
MP 9/9
SP(瞬発)48/61
SP(持久)32/38
攻撃値 36
防御値 28
魔力値 6
魔耐値 11
速度値 42
スキル
棍棒使いLV1、嗅覚強化LV2、速度向上LV1、暗視LV1
_______________
う~ん、スライムよりは強いけど、弱いよね。
本当にあとゴブリン25体倒すだけで、ランクが上がるのか不安になってきた。
「ミリア、とりあえず魔法で攻撃してみるね」
「はい、私は何をすればいいですか?」
「他に魔物がいないか警戒しといて」
俺が得意な魔法は、氷系と闇系の魔法だ。
氷は物理と属性のダメージがあるし、簡易的な武器などにもなって便利だから上げている。
そして闇属性は、適性が高かったのか、氷魔法より練習量が少ないのに同じぐらい上がっている。
そして今回使った魔法は、暗黒魔法の進化前である闇魔法LV2で覚える『闇球』だ。
『闇球』
野球ボールを一回り大きくしたような真っ黒い球が、ゴブリンに向かって勢いよく飛んで行った。
ゴブリンに当たった球は音もなくゴブリンの体を貫通した。
「おお、これはちょっとグロイな、ミリアは大丈夫?」
「?、何のことですか?」
「いや、何でもない」
前世だったら、青い顔になったと思うが、吸血鬼に転生したからか、吐きそうな気分にならなかった。
一応対策はしていたが無駄になってよかった。
ちなみに対策は、光魔法を使って精神を落ち着かせるものだ。
「ゴブッ」
「ゴギャ、ゴブ」
「ギャ、ギャ」
ゴブリンは仲間が死んだのを見ると、魔法が飛んだ反対側に逃げて行った。
ゴブリンにしては状況判断が速いな、まあ逃げる速度は遅いけど。
俺は、木の裏から飛び出て剣を振るった。
そしたらゴブリンが上下に真っ二つになった。
今のは、波動、というスキルで、SPを使って衝撃を遠くまで届けることができる。
「終わったね」
「さすがです。レイン様」
「じゃあゴブリンの討伐部位の右耳と魔石を取ろうか」
討伐部位は魔物によって異なっており、間違った部位を持ってきたら報酬がもらえない。
魔石は討伐部位だが、魔石は大体心臓の近くにあり、急所を狙って魔石を壊すことは珍しくない。
なので魔物の討伐部位は魔石を合わせて、2個以上あることが多い。
「ふう、終わった」
「こっちも終わりました」
ゴブリンの右耳は全て取れたが、魔石は魔法が当たった時に壊れてしまった。
「1個壊しちゃったか。次から気をつけよ。移動するよミリア」
「はい」
それから3時程まで森の浅いところでゴブリンを狩っていた。
「これだけあれば大丈夫だろ」
「そうですね。言われた数の倍以上狩ってきましたし」
朝から昼まで狩った数は50は優に超える。
途中ゴブリン以外の魔物に遭遇したが、強くなかったのでそのまま倒した。
「ゴブリン以外は依頼がないか確認してからにしよう」
「そうですね」
そうこうしている間に冒険者ギルドについた。
「買取お願いします」
「はい、今日は確かゴブリンの方ですか、いったい何体狩ってきたんですか?」
レナ酸が昨日のスライムの魔石の山を思い出したのか、心なし顔が暗い。
「今日は昨日ほどではありません。ちょっと多いかもしれませんが。
ジャラジャラジャラ
うん、改めて見ると多いな、数は昨日ほどではないけど、スライムの魔石より大きいので、昨日の山とあまり大きさは変わってない。
「また随分と持ってきましたね」
「ゴブリンが多かったので、つい」
「はあ、分かりました少々お待ちください」




