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女神様に惚れたので異世界で頑張ります  作者: 木川 陸
戦争偏
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本陣攻略①

 砦に戻りヒスイの世話をしながら休んでいるとイスカさんが帰って来た。

 イスカさんは砦に降りたらすぐに司令部に行ったけど、なにかあったのか?

 そしてしばらくするとイスカさんが司令部から帰って来た。

 なにやら悩んでいるような、疲れているような顔をしている。

 本当に何があったんだ?

 そしてイスカさんが口を開いた。


「飛行部隊全員集合!」


 これは俺も行った方がいいのかな、一応飛行部隊として活動したし。

 ミリアと一緒にイスカさんの前に集まる。

 飛行部隊と言っても、軍属でない俺たちを含めないとたった3人しかいない。

 こんな少人数で援軍とか行ったのって正気じゃないな。

 さて、次はいったい何をするんだ?


「明日、再び援軍として砦を攻めることになった」


 またかよ!今日攻めたばっかなのに。


「今回も飛行部隊の力を借りたいらしい」


 地上はいいな、ゆっくり休めて、まあナファリアさんにとっては嬉しくないか。

 次はナファリアさんも連れて行こうかな?

 いやだめだ、なんか嫌な予感がする。


「まったく人気者はつらいな」


 まわりから乾いた笑い声が聞こえる。


「出発は前回同様俺が指示する。それまで各自休むよう。では解散」


 また戦いか、今度も弓使いに狙われるんだろうな。

 まあ、いつ襲われるか分からない暗殺に常に警戒するより、この戦争中だけ警戒する方がましだ。

 そう思い、俺は明日に備えた。




 次の日、イスカさんに指示された通り動き砦を攻めたが呆気なく落ちた。

 そもそも敵の飛行部隊はスライムが50体だけとかなり少なく、あっさり倒せた。

 敵の罠かと思ったが、せいぜい弓使いが攻撃してくるぐらいで、いつも通り、いや、いつもより楽だった。

 そして地上も敵の数はあまり多くなく200人ぐらいしかおらず、制空権を取り上空と地上から攻撃したらすぐに逃げはじめた。


 それから次の日も、また次の日も他の砦の攻略に援軍として向かったが、徹底的に抵抗してくる砦は無かった。

 そうして敵本陣を囲む砦のうち五つを落とした。

 これで敵の砦に囲まれることなく安全に本陣を叩くことができる。


 今のところ順調層に思えるが、敵はあれから一度も動いておらず、なにを考えているのか分からない。

 不気味だ。

 もしかしたら、もうすでに敵は限界で戦う余裕がないだけかもしれない。

 でもまだ敵の数は多い。

 本陣の中は隠されていて何人いるのか分からなかったが、今まで攻めてきた人数とそれぞれの砦にこもる人数を考えると、最低でも3000人以上はいる。


 敵の狙いは分からないが、いずれ大きな戦いがあることは分かる。

 そんなふうに考えて過ごしていると、ついに敵の本陣へ攻撃する日が決まった。

 攻撃するのは二日後、明日は英気を養い明後日に本陣に攻めこむようだ。


 攻める日が決まったことで砦内の雰囲気はピリピリしだした。

 最近地上部隊はあまり戦ってなかったからか空気が少し緩んでいた。

 でも今はそんなことを感じさせない。

 きっとみんな感じているんだろう、次の戦い今までよりも大規模な戦いになると。


 敵本陣に攻めることを教えられてから、俺たちは戦いに備えて体を休ませた。

 攻めるまでたった一日しかないのだったらむやみに体を動かすよりも体を休めた方がいい。

 もちろん軽く体は動かして体が鈍らないようにしている。


 そしてついに敵本陣へ攻め込む日がやって来た。

 俺とミリアはヒスイに乗り飛行部隊に、ナファリアさんは地上それも最前線にいる。

 味方は自軍の本陣と周囲の砦、あと占領した砦に最低限人を残してそれ以外は全員ここに集まっている。

 敵は壁にびっしりと並んでおり、いつ責められてもいいよう準備している。


 そしてついに味方が動き出した。

 味方は一斉に魔法を放ち敵本陣に向かって攻撃する。

 それに対し敵も負けずと撃ち返している。


 撃ち合いは敵の方がやや有利だった。

 普通だったら撃てる人数が制限される城壁よりも、地上からの攻撃の方が有利だ。

 それでも、てきの方が有利な理由は二つある。

 一つは城壁の存在、城壁のせいで敵の守りが堅くなっている。

 そしてもう一つは大型の魔法道具の存在。


 敵は30台ほど並べて撃っているが、それに対して味方はたった2台しかない。

 しかも鹵獲したばかりの大型の魔法道具だ。

 まだぜんぜん使い慣れておらず、敵に比べ連射が遅い。

 敵の大型の魔法道具により味方は防御に人員とMPをそそぎ、攻撃の数が足りない。

 今はまだこちらがやや劣勢で済んでいるが、このまま少しずつ削られれば一気に不利になる。


 鍵は大型の魔法道具だ。

 それさえ破壊できれば形成は逆転する。

 でも地上は手一杯、じゃあどこがやるかと言えば、


「飛行部隊、出るぞ!」


 だよね。

 そうして俺たちは空へと上がった。


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