からまれた
「ミリア、気づいている?」
俺はミリアに小声で聞いた。
「はい、三人組が付いてきてます」
「ギルドにいたときから、悪意があったよね」
「はい」
俺が持っているスキルに万能察知がある。
万能察知は、あらゆる察知スキルが含まれており、その中に悪意察知というスキルがある。
悪意察知は、俺に対して悪意ある者に反応する。
「やっぱり、ついてきてるね」
平原にいたときは、あいつらもスライム狩りをしていたが、俺らが移動したらある程度感覚をあけて追ってきた。
あやしい、何が目的だ?
新人が危なくなったら助ける、と思ってもなさそうだし。
やっぱり、脅してお金とかをとるつもりなのかな?
「多分森に入ったらなんかやってくると思うけど、どうする逃げる?」
「レイン様はどう考えていますか?」
「いったん相手の反応を見たいし、冒険者のレベルも知りたい。このまま森に入って、隠れて鑑定をしようと思っている」
「え、でもあの人たちレイン様に絶対何かしてきます。森に隠れて不意打ちしましょう」
ミリアって容赦ないな。
「いくら何でも攻撃されてないのに攻撃したらまずいと思う」
「分かりました。でも魔法を使う準備はします」
まあ、準備ぐらいだったらいいか。
「分かった。じゃあそろそろ森に入るから隠れようか」
「はい」
「いないぞ。くそ、あのガキどもどこに行きやがった」
「まだ近くにいるだろ。ばらけて探すぞ」
「てまかけやがって、見つけたらぶっ殺してやる」
森に入った瞬間俺たちは木の上に隠れた。
俺たちが森に入って見えなくなったときに、こいつら急に走ってきたからほぼ黒だと思っていたが、完全に黒だった。
あやしい行動をしているが実はいい人だったパターンではなかった。
普通にぶっ殺す、って言ってたしな。
ミリアがめっちゃにらんでいる。
あれは人を殺せる目だ。
まあ、実際魔眼スキル使えば、相手のレベルによっては殺せるかもしれない。
俺は一番前を歩いている奴に向けて、鑑定を使った。
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名前 モッブ
種族 犬獣人 LV17
ステータス
HP 212/212
MP 123/123
SP(瞬発)178/185
SP(持久)165/173
攻撃値 185
防御値 127
魔力値 74
魔耐値 83
速度値 154
スキル
HP自動回復LV2、SP自動回復LV3、気力察知LV4、気配察知LV3、危機察知LV2、気配抑制LV3、音抑制LV3、剣使いLV5、剛力LV2、威嚇LV2、火属性耐性LV3、水属性耐性LV1、土属性耐性LV2、風属性耐性LV2、木属性耐性LV1、毒属性耐性LV3、斬耐性LV2、打耐性LV3、衝耐性LV3、圧耐性LV1、気力操作LV2、気力放出LV1、部分気力強化LV3、感覚強化LV4、命中LV2、回避LV3、HP向上LV4、、SP(瞬発)向上LV4、、SP(持久)向上LV3、、攻撃向上LV4、、速度向上LV3、投擲LV1、痛覚軽減LV1
固有スキル
獣化LV1
称号
Fランク冒険者
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お、思っていたより弱い。
ステータスもだけど、特にスキルのレベルが低い。
最高でスキルレベル5って俺の子供の時より低いぞ、今も子供だけど。
他の二人も物理特化って感じだ。
これなら、簡単に制圧できる。
ミリアも我慢の限界が近そうだし、あいつらの目的を聞いてみるか。
「おい、あんたら俺たちに用でもあるのか」
声をかけた時少し驚いていたが、相手が俺たちだと分かるとニヤニヤしだした。
「おいおい、ガキども何で木の上に登ってるんだ。危ないからさっさと降りてこい」
「そうだぞ。危ないぞ」
「何で俺たちをつけてきたんだ」
「あ、たまたまだよ。それより早く降りてこい」
「ギルドにいたときから見てたよな」
「さっさと降りてこいガキども殺すぞ」
最初は普通に話していたが最終的には怒鳴り始めた。
そんな言い方じゃあ、普通の子供だった降りてこないぞ。
まあ、俺はお前たちより強いから降りるけど。
「降りたぞ。で、俺たちに何の用だ」
「へっへっへ。お前たち貴族か大商人の子供だろ。俺たちはな金持ちの奴らを見るとむかつくんだよ。それによ、その装備は税金か、俺たちが払った金で買ったんだろ。つまりもともと俺らの金ってわけだ。だからその装備をよこせそしたら命だけは助けてやる」
わ~、このひと頭おかしい。
つまり、俺たちの装備目的か。
俺たちの装備はかなりいいものだと思う。
Cランク中位からBランク下位の物だ。
「おい、黙ってないでさっさとよこせ」
「殺されたいのか、あ」
黙ってたらなんか言ってきたので、とりあえず呪いの魔眼と恐怖の魔眼を使った。




