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女神様に惚れたので異世界で頑張ります  作者: 木川 陸
成長編
30/555

冒険者の理由

 冒険者ギルドは、この世界に存在している組織で、冒険者は冒険者ギルドに所属している者のことだ。

 冒険者ギルドはこの世界でかなり強い力を持っている。

 この世界は魔物が多く、騎士や兵士だけでは全てを守ることはできない。

 だからと言って兵士を増やすのも得策ではない。

 兵士もタダで増やせるわけでもないし、時間もかかる。

 というわけで、冒険者の場合は死んでも直接損害があるわけではないので、国は魔物に対してよく冒険者を使っている。

 昔は国同士の戦争でも使われていたが、今はあまり使われていない。

 冒険者は依頼者に従わないといけないが、どう見ても負け戦の場合はすぐ逃げる。

 そりゃあ、依頼者より自分の命の方が大事だからな。

 しかし、まだ逃げるのはいい方だ。

 最悪依頼者を裏切って敵側になりることもある。

 そんなこともあって戦争では一部しか使われていない。

 まあそのことは置いといて、俺が冒険者ギルドに入る一番のメリットはダンジョンの入場権利があることだ。

 普通の人はダンジョンに入れないようになっている。

 ダンジョンには宝や資源があるが、魔物や罠が大量にあり危険すぎる。

 そのため兵士や騎士などの国からの許可を取った人か、冒険者ギルドである程度のランクを持っている者しか入れないようになっている。

 俺は一応貴族だから入れると思うが、父上が許可しないので結局入れない。

 ちなみにダンジョンの権利はギルドと国の両方が握っており、場所によってはギルドの方の力が強いこともあるが、大体国の方が強い。

 そりゃ、国の土地にあるものだから国の力の方が強いに決まっている。

 逆に権利を握られている方は、よっぽど弱小国家か、ギルドに借りが大量にあるのかぐらいだろう。

 まあ、正攻法でダンジョンに入るには冒険者になるしかなかったのだ。

 ちなみに家出について知っているのは二人だけだ。

 一人はミリアだ。

 彼女は俺の眷属だし、俺がいない間に何かあったら心配だからつれて行くことにした。

 ミリアは会った時とは比べられないほど強くなっているし、家事などもほぼできるようになった。

 会った時はがりがりだったが、今では年相応な体つきになって健康そうだ。

 俺はミリアに家出についてきてくれるか、と聞いた時、即座に


「もちろんです。私はレサレイン様に一生ついていきます」


 と言ってくれた時は嬉しかったが、ちょっと忠誠心がまた強くなっているようで、少々不安だ。

 もう一人はダンジョン堂の店長のルドさんだ。

 この四年間屋敷からでるときは、ほぼダンジョン堂に行き親しくなったのだ。

 ルドさんは俺が家出をして冒険者になろうかなと相談したところ、


「俺は十二歳の時一人で家を飛び出して冒険者になったんだぜ。十一歳もたいして変わらねぇし、お前は俺の十二歳の時より強いし冷静だ。俺が行けたんだし無理なことしなきゃ大丈夫だろ、それに俺と違って仲間がいるしお前なら帰ってくる時には、Bランク冒険者になれるだろ」


 Bランク冒険者はどれぐらいの強さか分からないが、冒険者ランクはGランクからSランクの八段階評価だから、上から三番目ってことは強いほうかな?

 それにしても十二歳で家を飛び出したっていくら何でも早すぎない。

 えっ?俺、俺は精神年齢が三十歳ぐらいだからいいんだよ。

 まあともかく、なぜ俺がルドさんに相談したかというと、俺がこの国からでるときに手伝ってもらうからだ。

 手伝ってもらうと言っても直接つれて行ってもらえるわけではなく、ルドさんの知り合いの人に連れて行ってもらうことになっている。

 この国は大陸の三分の一を占めているので、かなり広く徒歩などで移動したらこの国を出るのにいったいどのくらいかかるか見当もつかない。

 父上はこの国の公爵なので国内ならすぐに見つかってしまう可能性が高い。

 そのため、この国からすぐに出れるような移動手段が必要だ。

 実は相談する相手はマネーさんにしようか悩んだのだが、なんかマネーさんは相談するのが怖いというか、不安というか、まあマネーさんに貸しを作るのはあまりいい予感がしなかったのでやめておいた。

 その点ルドさんは顔が怖いけどいい人だし、約束などちゃんと守ってくれそうだ。

 あと家出まで二週間しかないので、最近では荷物のチェックばかりやっている。

 家出してから忘れ物に気づいて家に帰らないようになったら目も当てられない。

 とまあそんな風に心配していたが、特に忘れ物はなく、誰にも家出のことを知られることなく、俺が家出をする予定日の前日になった。


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