出会い
ダンジョン堂でガレン兄様のプレゼントを買えたので後は帰るだけだと思ったが、俺はまだこの辺りを見て回りたいのでセキナさんにこの辺りを探検していいか聞いたところ
「しかしこの辺りはあまり治安が良くないのであまり長居はしたくないのですが・・・、まあ少しだけならいいでしょう」
「ありがとうセキナ」
屋敷からこんなに離れたところまで来ることはなかったので、今凄くワクワクしている。
屋敷やマネーさんの店の近くはちゃんと区間整理がされているが、ここら辺は大通りを中心として好き勝手に建物が建っている感じがする。
それにしてもここら辺は、冒険者ギルドが近いからか宿屋や飲食関係の店が多い。
そこかしこからいい匂いがしたり、客を呼んでいる声が聞こえて活気がある。
「ここら辺はにぎやかだね」
「そうですね、冒険者は騒がしいのが好きですから」
そこから少し離れて人通りが少なくなったところには鍛冶屋が並んでいた。
「何でこんな目立たないところに鍛冶屋があるんだろう?」
「鍛冶をしている時の音は少々大きいですからあまり人がいないところに建てているのでしょう。風魔法で聞こえなくすることもできますが、中からも外の音も聞こえなく不便なので、ある程度は風魔法で音を抑えますが完全に聞こえないようにはしてないようですね」
確かに鍛冶の音はうるさそうだからな。
他にもこの近くにはポーションなどを売っている薬屋や、魔物の素材などを売っている素材屋など見まわった。
「結構奥まで来ちゃったね」
いろんな店を見ているうちに、いつの間にか奥の方まで来てしまったようだ。
「そうですね、ここら辺は特に何もないようなので戻りましょう」
「そうだね」
そう言って俺が元の場所へ戻ろうとしたとき、
「キャ、誰か・・・たすけて」
と消えそうな小さな声で俺の感覚大強化のスキルによって強化された耳に聞こえた。
「セキナ、今の声聞こえた」
「・・・はい、聞こえました」
「どっちから聞こえた」
俺は聞こえたがどの方向から声が出たのかは分からない。
「多分あちらの方から」
そう言ってセキナさんは、俺たちが戻ろうとした方向の逆側のほうを指した。
「分かった。それじゃあ行こう」
「・・・はい」
セキナさんはあまり積極的ではないが、俺が行くと言ったら普通についてきてくれた。
そして走って5分ほどかかりようやく声の主の所にたどり着いた。
そこでは大人男二人組と小さな女の子がいた。
「かえして、かえしてよ」
「ふん、取られるほうが悪いんだ」
「返してほしけりゃ奪い返せ」
そう言って男は女の子を殴った。
女の子は痩せこけていて、着ている服はボロボロ、それに何度も殴られたのか、見えているところでも肌が青くなっている。
殴られた女の子はそのままうずくまってしまったが男たちを睨みつけていた。
「何だその目は」
「また殴られたいのか、ほんじゃもう一発殴ってやる」
そう言って男が拳を振り上げ、殴ろうとした時に俺は魔法を使った。
「『氷壁』」
この魔法は氷魔法レベル3で覚える魔法で、あまりレベルが高くないのですぐに出せる魔法だ。
そして男は急にできた氷の壁を殴ってしまい手から嫌な音が聞こえた。
「いってー、何だこの氷は」
「やい、てめぇらかこの氷を出したのは」
とっさに使ったので無詠唱を使うのを忘れてしまいばれてしまった。
まあばれても大丈夫だけど。
今俺がとっさに作った壁を壊せないところをみるとあまり強くはなさそうだ。
「無視かよてめぇ」
「ぶっ殺してやる」
男たちはそう言ってこっちに来ようとしたが、
「貴様らごときがレサレイン様を傷つけるだと、そんなこと万死に値する」
「がっ」
「ぐぺぇ」
いつの間にか後ろにいたセキナさんは男たちを殴っていた。
わースゲーめっちゃ飛んで行った。
今の全然見えなかった、ていうかセキナさんってあんなに早く動けるの少しは強くなったと思ったけどセキナさんのスピードについていけなくて少しショック。
いや、今はそんなことよりあの女の子だ。
「大丈夫?」
「ぁ・・・ぁ、ぁ」
まだ話せないようだ。
あまり人には使ったことはないが鑑定を使うことにした。
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名前 ミリア
種族 人間 LV1
ステータス
HP 7/52
MP 94/94
SP(瞬発)16/42
SP(持久)10/38
攻撃値 23
防御値 34
魔力値 82
魔耐値 73
速度値 35
スキル
魔力察知LV1、気配察知LV1、強者察知LV2、危機察知LV3、重魔法LV1、重属性強化LV1、土耐性LV1、氷耐性LV2、毒耐性LV3、重耐性LV1、打耐性LV4、衝耐性LV3、魔力操作LV1、感覚強化LV3、HP向上LV2、速度向上LV2、暗視LV1
固有スキル
集団行動LV1
ユニークスキル
重属性補正LV1
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え、ユニークスキル!?
でも今はHPがたった7しかない早く回復魔法を使わないと。
ストックが切れたので、次から2日に1回更新にさせてもらいます。




