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女神様に惚れたので異世界で頑張ります  作者: 木川 陸
成長編
17/555

訓練

 俺が七歳になったからなのかは知らないが、訓練がさらに厳しくなった。

 今までは剣と魔法とで分けてやっていたが、最近の実戦訓練は剣と魔法を一緒に使わないといけない。

 ほかにも戦闘系のスキルも全部使ったりしている。


「オラッ」


「ヤッ」


「ハッ」


 今は兄様と姉様と一緒にハマンさんと三対一の訓練をやっているが全然相手になってない。

 訓練が始まってから二年間たつが今までハマンさんに攻撃をかすらせたことは一度もない。

 ほんとに服にかすったとかもない、前に三人で協力して広範囲に魔法をばらまいたが魔法で撃ち落としたり、剣で叩き落したりしないですべて避けてた。

 いや、あの時は全部叩き落されるかな、と思ってたけど全部避けられたからポカンとしてしまった。

 あの密度の魔法をよけるなんて俺だったら100年かかっても無理そう。


「はぁぁぁ」


 あの時のことを思い出していると、ハマンさんが剣を振り下ろしたところにガレン兄様が衝波を使いながら剣を振ったが、その攻撃を紙一重で避けた。

 衝波には気力操作である程度形を変えることができ、例えば剣を衝波付きで振った時、剣を正面から見た幅と同じ大きさの斬撃か、それとも斬撃をある程度広げて前方のほとんどの部分を攻撃するのか変えることができる。

 ちなみに今兄様が使ったのは後者で、広範囲しかも至近距離で放ったのに避けたハマンさんは凄すぎる。

 しかもステータス任せに早く動いたのではなく、ガレン兄様と同じぐらいのスピードだったので、だから技術と攻撃の範囲を予測して避けたのだと思う。

 前にも似たようなことがあって、どうやればハマンさんと同じようなことができるかと聞いてみたところ、


「そうですね、感知系のスキルと思考加速のスキルを高レベルまで育て、戦闘を何百何千何万と繰り返したらいいと思います」


 いや、何百何千まではできるかもしれないけど何万は無理だって、と思って言ったら。


「ダンジョンなどの魔物の多いところで一年ほど暮らしたら、最低でも一万ほどの魔物と戦えますよ」


 頭おかしいだろと思ったがハマンさんの次の一言が衝撃的だった。


「私も旦那様方と一緒に四年程ダンジョンの中に暮らしてました。あの頃の私は若かったですね」


 マジかよ。

 え、父上もダンジョンの中に住んでたの!?

 貴族なのに、


「はい、貴族だからこそ強くならないといけないのです」


 マジか~。

 まっ、元から強くなる予定だったからいいや。

 でも四年って長くないと言おうとしたが、吸血鬼にとって四年はそれど長くない。

 下位吸血鬼でも200年生き、中位吸血鬼に進化したら800年生き、上位吸血鬼になったらさらに長く生きると言われている。

 しかも家族や使用人たちも最低中位吸血鬼だから四年はそれほど長くないのかもしれない。


「痛ッ」


「レサレイン様、訓練の時は集中してください」


 ちょっと昔のことを思い出しているだけで木剣でたたかれた。

 心なしかいつもより少し痛い。

 でも思い出しているときだって思考加速を使っているのに何でわかったんだ。

 もしかして集中してないときは顔に出るのかな、それともハマンさんの勘かな?

 でも顔に出るって言っても集中してなかったのは一瞬だったし、勘だとしたらそれは少し怖い。

 その後30分ほど頑張っていたが結局今日もハマンさんに攻撃を当てることはできなかった。


「お疲れ様です皆さま、では今から休憩にしましょう」


「あ~、疲れた」


「疲れましたわ」


「疲れた~」


 やっぱ30分間全力戦闘はきついわ。

 毎日やっているとステータスが上がって楽になると思っていたけど、ステータスが上がるたびにハマンさんが訓練をきつくするので全然楽にならない。

 毎日この訓練をするのはしんどいけど、ちゃんと強くなっている実感があって少し楽しい。

 俺たちの中で一番強いのはガレン兄様だけど、魔法だけだったら俺が一番強い。

 だから前衛はガレン兄様で後衛は俺そして遊撃はレイチェル姉様の布陣となっいる。

 といっても2人はとりあえず攻めとけ、って感じに攻撃してるのであまり布陣は関係ない。

 連携して攻めることができたらいいが、この2人には好き勝手に攻めているので全くと言っていいほど連携できてない。

 俺もできるだけ合わせようとしているがあまり効果はない。

 いったいいつになったらハマンさんに攻撃を当てることができるんだろう。


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