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死の谷

「うわぁ!!」


あんな高い所から俺を落としやがって!

後で後悔させてやる………。

それよりもここはどこだ?

普通に落っこったら死んでいるはずなんだが。


「いって!」


周りを確認しようとしたら、背中に痛みが走る。

そして背中に手を伸ばしてみると、服と背中の間にとても太い木の枝が挟まっていた。


「ホントになんなんだよ………。」


☆☆☆


あの後周りを確認して分かったことはいくつかある。

どうして俺の背中に枝が挟まっていたかと言うと、俺の真後ろにめっちゃでかい木があったからだ。

推測するに、普通に落っこったら死んでいる俺が偶然太い木の枝に引っ掛かった。

その後、木の枝は俺の体重に耐えきれず、俺もろとも落っこった………。の、ようなものだと思うのだが、真相は分からない。

他には、この谷から出るのは不可能と言うことと、なぜか階段があることぐらい…………。


「まぁなにもしないより何かした方がいいしな、階段を降りてみるか。」


ひとひとと水が滴り落ちている。

もしかしたら近くに水があるのかもな。

階段をもう20分は降り続けている。

と、そんなことを考えているうちに、開けた場所に出てきた。

そこには、大きな大きな岩があり、その頂上には光輝く白と黄金色でできた剣があった。


『貴様は何者だ?』


脳内に直接問いかけてきたその声に不気味さを感じつつも、俺はその問いかけに答える。


「俺はただの村人だ」

『ただの村人がこの死の谷にたどり着けるわけがないだろう………ふざけるのも大概にしろっ!』


女性のような声で大声を上げた後、剣から眩い光のオーラが広い空間を支配し、その圧に押し潰されそうになる。


「俺は本当に村人だっ!」


なぜか一瞬押し潰されそうになったが、その圧の影響はほとんど無くなっていた。


『やはり力を隠していたな。この我の威圧を耐えるということは、相当な手練れだろう』


俺本当に村人なんだけど………なんて言ってる場合じゃない!もし戦うことになったらろくに戦ったことの無い俺が負けるに決まってる。


「許してくださいっっっっ!!!」

『は?』


俺がしたのは究極の技………その名も土・下・座!

絶対絶命な時、自分の弱さをアピールし、相手の戦意を削ぐというまさにKA・MI・WA・ZA


『いきなりどうしたのじゃ?もしかして、我がおぬしと戦うとでも思っていたのか?』

「え?ちがうの?」

『ようやくこの地獄から抜け出せるチャンスをみすみす見逃すわけなかろう』


よ、よかった。俺を殺す気は無いようだ。


『その代わりと言ってはなんだが、我を引き抜いてくれんかの?』

「そんなことでいいならお安いご用だ」


俺は岩を登り、剣を引き抜こうとする………が、剣にさわろうとした瞬間、雷のようなものに弾かれてしまう。


「まだまだぁ!」


俺はこれしきのことで諦めるような男ではない。

すると、今度は剣を握ることができた。

しかし、またもや弾かれてしまう。

でも、さっきよりはいけたんだ、このまま続ければきっと抜けるに違いない。



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