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神と話して異世界へ

気がつくとそこには、真っ白な空間が広がっていた。


「ん?起きたのかい?」


そんな声がして振り向くと、さっきまで一緒に授業を受けていた友達は不規則に倒れていて、その真ん中に美少年が立っていた。


「おまえはだれだ?」


初対面の人なのに状況が飲み込めていないせいで、思わずため口で言ってしまう。


「僕は神様だよ」


思わぬ返答に少し動揺してしまう。

ひとまず状況を整理しよう。俺はこれまでのことを思い返してみようと思ったそのとき、頭にひどい激痛が走った。


「がああぁぁぁああ!」

「そんなことはやめた方がいい」

「これはいったいなんなんだ?」

「その話をしてもいいけど、まずは席に座ってからにしようよ」


その少年が指を指した所に、先ほどまでなにも無かった場所に突然机と椅子が出現する。

そして自称神様は、机をコツコツと叩き、今度は紅茶を出現させる。

驚いて尻もちをつく俺に対して、神はゲラゲラと笑った。

そしてその後、神はこう告げた。


「そんなことしていないで、さっさと席に座りなよ」


俺は渋々それに従い、単刀直入に聞いた。


「ここはどこだ?そしてさっきの頭痛はなんだ?」

「ここは僕が作り出した空間、さっきの頭痛は君が記憶を思い出そうとした結果だね」

「???」


混乱する俺など関係ないかのように神は話を進める。


「さっきも言ったようにここは僕が作り出した空間。つまりここの絶対権利を持つ存在だね」

「????」


ますます分からなくなる俺に説明するように神はしゃべってくれた。


「簡単に言えばこの世界を支配するものだよ」

「そうなのか」


何となくだけど相手のことを知ることができた。


「次は頭痛についてだね」


そう、問題はこれだ。


「君の頭痛は、無理矢理神の力に抗ったせいだね」

「どう言うことだ?」

「君たちの価値観は、これから転生させられる異世界………ブリジットに合わせられているんだよ」

「つまり?」


俺はもはや考えることをやめ、神の言葉を待っていた。


「価値観を変えるためには、今までの記憶を消す作業から始まり、次に消されたことに対する違和感を無くす作業、最後にあちらの世界に適応するために相手の精神に干渉する作業に分かれる。」

「うんうん」

「その作業の過程の中で、何の間違いか知らないが、君は目覚めてしまったんだ」


神の力に無理やりあらがうっていうのは、そういうことなのか。

そういえば、さっきから神の言葉に疑いを感じないのも、価値観が変わるということなんだろうな。

ということは、向こうの世界でも神は絶対的な存在ということ?


「あ、ちなみにどうして君たちを異世界に召喚するかというと、向こうの世界でちょーと間違いをしてしまって、魔王が生まれちゃったんだ」

「え?」

「そのために君たちを呼んだわけだけど、転生する場所はランダムで、過酷なたびに耐えられないかもしれないし、そもそも魔王に勝てるかもわからない状態で転生させるのはさすがにかわいそうだなーと思って、なんと、チートスキルをプレゼントします!」


最初はとても暗そうに話していたのに、最後はとても明るくしゃべっている。

もしかして俺のやる気を出そうとしてるのか?


「そのチートスキルのおすすめはなんだ?」

「僕からすると成長チートかな?本来なら1つだけだけど、特別に3つほど差し上げましょう!」


それから10分ほどが過ぎ、チートスキルを3つもらった。


「そろそろ時間だね」


神がそういった瞬間、虹色に光る魔法陣のようなものが現れ、クラスメイトともども俺も飲まれていったのであった………。




☆☆☆




「うわぁ!」

「なんだい急に」


目覚めた瞬間となりにおばさんがいて驚いたんだよ!

俺は今9歳で、前世の記憶を取り戻したのは昨日である。


「明日は10歳の誕生日だから、うちの子があれに選ばれなければいいんだけどねー」


〖あれ〗というのは、どうやら生贄の事らしい。

ここのような小さい集落では、自分たちだけで生きるのはつらい。だから、近くの谷に住んでいる怪物と、生贄と食料を交換しているらしい。



そして次の日、村中の10歳の子供たちが集められた。

村中と言っても、その人数はなんと6人!

自分でも少ないと思うということは、ブリジットでも異常なのだろう。


「今年はどいつにするか………じゃぁお前!」


村に来た男はそう言った。

その指が指した方向は………俺?


「ちょっと待っ―――――んぐっ!」




☆☆☆




抵抗しようとすれば、すぐに大人たちに押さえつけられ、しゃべろうとすれば口を押さえつけられた。

そして、無理矢理連行されながら30分ほどが過ぎた頃、〃それ〃は現れた。

〃それ〃はこの大陸と向こうの大陸を裂くように横に広がっており、下を見ても全く底が見つからない。


「ほらいけ!」


男に突き飛ばされ、俺は暗い暗い谷の底へと落ちていったのであった………。



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