表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ぽっちゃり令嬢と女冒険者  作者: 雪花風月
2/4

2 村での昼食

読者は次へ>>を押した  筆者は跪いて感謝している

 村に到着すると、村長夫妻が出迎えてくれた。マルロー伯爵領からは遠い場所だが、伯爵家のとある事業が影響しているのでそれについての話を聴かねばならない。事業については護衛、執事どちらにも秘密なのでセバスチャンとリリーは馬車の中で昼食を食べてもらう必要がある。


 村長の座をようやく手に入れてから今日にいたるまでの幸運を改めてかみしめつつ令嬢を迎えた。伯爵家のご令嬢は弛んだ腹さえ引き締めれば色気満点の体つきだ。(中年になってもこんなことを考えてしまうのは男の定めである…よな?)早速、母屋に案内して、昼食としよう。


 村長に促されて、母屋にお邪魔すると、村長の妻が大急ぎで昼食を出してくれた。パンとスープという農村らしい質素な料理だが、スープの具材の量から歓迎の意思は感じた。伯爵家の進める、新型肥料の成果はどうなのか、実際に聞かせてもらおう。それから、パンで小麦の質も確認だ。


 丸っこい食べるのが好きそうなご令嬢は、古くなった使いずらい銀食器を丁寧に使い、こっちが恥ずかしくなるほど完璧にスープを飲みやがった。悔しいと感じてしまうのは何故だ。「シャーロットお嬢様、マルロー伯爵家の肥料は素晴らしいの一言であります。」


 素晴らしい。あやふやな言葉ね、と思った。「わざわざ、私をもてなすために白パンをありがとうございます。ところで、伯爵家の肥料には土壌改良の作用も有ります。具体的にはライムギしか育たない地に小麦が育てられる程度に。どうですか?作付けの転換はできました?」


 実家から聞いてこいと言われたリストでもあるのだろう。マジで素晴らしい肥料だったから探られていたい事は全くないので全て正直に答えようか。「ええ。比較のため、半分ほどライムギは残しましたが、小麦が育たないということで諦めていた区域も作付け転換に成功しました。」


 村長が素直に答えているのでこれは問題なさそうだと感じた。パンの味も悪くない。採れた小麦は市場に流通できる程度の実力を持っているだろう。残りは、この程度の小麦がどれほどあるかという問題だが、これはこの地域を収める領主に頼んで見せてもらう徴税記録と照合できるので私は何もしなくてよい。


 その後、いくつかの質問に素直に答えると、ご令嬢は満足そうな表情をした後、パンをいくつかおかわりしバターを塗りたくって、あっという間に食べてしまった。このバターはどこで作っているの?と聞かれたのでこの村だと素直に答えた。この質問はご令嬢の食い意地が見え隠れした気がした。


 パンの味から小麦の品質は確認できたので、残りは自分の腹を満たすことに注力する。いくつかおかわりをし、添えてあったバターを付けて食べてみるとおいしかった。バターがおいしいのか?と思い、バターがどこで作られているのかを聞いたら、この村だといっていた。伯爵家として取り寄せる価値はありそうだ。


 いきなり伯爵家としてお取り寄せするなんて言われてしまうと困るのだが…4年前いきなりやってきた伯爵家の人間に肥料の話をされ、詐欺だと思って1年待って、小麦の収穫が大豊作で、その翌年も大豊作、去年は小麦に作付け転換した地区がたくさん出来て、今年は特産品。ちょっと出来が良すぎると思ってしまった。


 村長にびっくりされてしまった。まあ、当然といえば当然か。わざわざ領外の村から仕入れるのは普通ではない。それに、私の食への情熱(という名の食い意地でしかないが)が発動しただけなので、こればっかりは忘れてもらった。


 やっぱりナシ。ということで、伯爵家にとってのこの村は、実験施設のままということになりそうだ。が、実験で大儲けできているのだから感謝している。ご令嬢とそのお付の者達(昼食は既に終わって居たようだ)をお見送りして、この村のイレギュラーは終了した。


 セバスチャンとリリーが待っていた馬車に乗り込むと、村長夫妻のお見送りでこの村を去った。夕方には次の街に到着するはずだから、またリリーとお話をしよう。迷宮についての話は根掘り葉掘り聞いてしまったから、業火のエンチャントについて聞いてみよう。見解が分かれるから使用者の声を聴きたいわ。


 お見送りが終わった後、「あの令嬢、食い意地我慢して、腹が引っ込んでれば美人なのになぁ。」なんて不用意に独り言を言ってしまったために妻に怒られてしまった。おかげで夕食はナシ。食い意地を我慢して、腹が引っ込んでた昔みたいになれ。といいうことらしい。イレギュラーはほんの少し続いていた。

実験要素の強い作品ですが、読み通していただきありがとうございます。

2話目は、小説家になろうの仕様上ページを変えられる特性を利用して、1話目での「お嬢様←→女冒険者」の視点交替を「お嬢様←→村長」にしれっと変更しても、読者にまあまあ受け入れられるのではないか。というずいぶんと尊大な実験です。後書きを書く段階になって駄目じゃねェかと気づいた次第です。


至らない点など多々あったと思いますし、読みづらかったと思いますが、↓の星を使って評価するなどといった方法で作者へ反応を伝えていただけると嬉しい限りです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ