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第31話 肌着

次の日、前回と同じくコサック、マギローブ、ソフィア、マクシムで不浄の地の小屋に向かった。

獣たちの立ち回りの慣れたもので、さらに早く小屋にたどり着くことができた。

2日ぶりの顔ぶれに、魔法陣の中にいるフィルシズは喜んだ。


「これを着てみてほしいんです。」


「坊主、これを着てなんに・・・ん?魔法陣が描かれているのか?」


「そうです。この部屋にある魔法陣と同じで、それを身に着けていればこの部屋を出ても自我を失わないはず。」


「こんなものが・・・。よし、私が試しにこれを身に着けてみよう。何かあったらまた、投げ飛ばしてくれ。」


フーマンのフィルシズが肌着を着た。

隠し部屋の扉の前に行き、ええい、と勢いよく外に飛び出した。

コサックたちは固唾をのんで見守る。


「なんともない・・・。なんともないぞ!」


ディーヴァとエルフのフィルシズがこれ見よがしに肌着を着る。

エルフのフィルシズはうまく着ることができなかったのでコサックが手伝う。

2体とも部屋の外へ出た。


「こんなことが・・・。地の支配から抜けることがこんなにも嬉しいとは・・・。」


「ありがどう、あなだのおがげでずごじぎもぢがらぐになっだ。」


「残り7枚ここにあります。この地のフィルシズで浄化について情報のありそうなものにこれを着せてくれませんか?」


「承知した。必ずや情報を持ち合わせているものを見つけ出して見せよう。」


フーマンのフィルシズは敬礼なのか握りこぶしを胸の前に構え、コサックに力強く答えた。


「どうやらここに、この魔法陣と関係のある人がいるみたいなんです。フーマンの辺境伯で、名前はわかりませんでした。」


「おし坊主、その辺境伯とやらはここにいつ頃いたんだ?」


「陽月歴532年?だったかな。」


「なんだと!じゃあ俺が飲まれてから200年は経ってるじゃねーか・・・。」


「・・・今年は陽月歴何年だかわかるかね?」


「ごめんなさい。今はわかりません。」


「そうか・・・。まあいい。辺境伯は532年だということだけでもいい。そのころ飲まれた者なら心当たりがある。」


「わだじも。ずぐにみづがるどおもうげど、あじだになっだらごごにぎでぐれる?」


「わかりました。明日必ずここに来ます。」


コサックたちは小屋の外に出た。

コサックは片手をあげて3体に挨拶をし、屋敷に向かって帰っていった。

フーマンのフィルシズが語り始める。


「私は、辺境伯の動向について調査するためにフマニテから派遣された、調査騎士団の団長だった。私がこの地に、辺境伯の屋敷を訪問した時はすでにもぬけの殻の状態だった。ここ不浄の地の方で声がして駆けつけたが、辺境伯は私の目の前でこの地の者に体を貫かれ、殺され、飲まれた。忘れもしない。私たち騎士団も、その貫いたものにやられ、今に至る。邪悪な存在がここにはいる。」


「・・・思い出したぜ。その戦いに本能で参加させられていた。その邪悪なものだが、その辺境伯とやらがここに飲まれる少し前に、自ら命を絶って飲まれた奴がいる。この地の者になってやつと繋がったが、明らかに俺らとは別の、異質のものだ。」


「わだじも、ぞのいじづながんじばわがるわ。あのものば、ごのずがだになっでも、あぎらがにじぶんのいじをもっでいた。」


「その者は恐らく、この不浄の地の理を知る者と考えて良さそうだな。」


「なぜ坊主が来たのに動き出さないのか理由ががわからねぇ。意思を持って動いているなら厄介だぜ。」


「ぞうね、ごのばだぎをぎでがらづながりがぎばぐになっでがんじどれなぐなっだげど、あのごをまもるだめにざいぜんをづぐじまじょ。」


「俺が辺境伯を探す。お前らはやつの動向を探ってくれ。」


「心得た。」


「まがぜるわ。」


3体が小屋を出て行動に移そうとしたとき、気配と不快感が体を突き抜けた。

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