第30話 梟と猫
コサックは急いで1階に戻った。
すると解析部屋からマギローブとエレンが飛び出してきた。
『コサック、やったぞ。できたぞ。』
『マギローブはどこから知識を仕入れてきたのかね。でもこれは、素直にうれしいねぇ。』
マギローブとエレンは魔法陣の完成に歓喜していた。
コサックはちょうどいいところにと、マギローブとエレンを地下室に連れていき、最奥の魔法陣を確認させた。
マギローブの動きは止まっており、エレンはコサックの顔と魔法陣を代わる代わる見る。
『こ、これは!まさか!こんなところにあるなんて!まずこの部屋を突き止めたのはお手柄だね。私の真実の瞳でも見破れなかったさね。』
『まあまあ、でもこの魔法陣にも問題があってね。神聖なものってなんだかわかる?』
『あー、それは私も気になったね。さっぱりわからないよ。』
『解析終わった。わたしも神聖なものについては知らない。条件の変更はこの魔法陣は難しい。できない、って言ったほうがいいか。転写しかない。転写も同じ大きさでないと描かれているものが変わってしまって発動しないだろう。』
『転写も難しいね。これだけの床いっぱいに描かれている魔法陣を固くて途切れることなくだなんて。床のつなぎ目と被ってもダメなんだろうね。一枚の大きな石板の上に描かないととなると、私たちでは用意が難しいね。不浄の地に大きな固いものを敷いたとして、沈んでいくじゃなかろうかい。用意できたとしても、神聖なものねぇ・・・。』
『天地創造の神クレイブのゆかりあるものじゃだめかな。神器みたいな。』
『そんなもの知らないよ。』
『わたしも知らない。』
『・・・わかった。とにかく肌着を作ろう。フィルシズに何か情報を持っているものがいるかもしれない。』
『それでこんなに肌着を用意したのかい。情報は武器というがねぇ。』
『マギローブ、エレン、ありがとね。魔法陣がなきゃ、先に進めなかったと思うよ。』
『こそばゆいね。・・・嫌いじゃないよ。』
『こちらこそ。役に立ててうれしい。』
コサックたちは地下室から出て扉を閉めた。
狩りに出たものたちも帰ってきていたので、食事を皆でとることにした。
『コサック、肌着は何着用意するのだ?』
『10着かな。そんなに持っていけないし。』
『わかった、用意しよう。』
食事後、マギローブはすぐに作業に取り掛かった。
マギローブの作業も終わり、全員で祈りを捧げた。
(神聖なものって・・・。)
コサックはツルツルの流木をとりあえず肌身離さず持っておくことを決めた。




