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第29話 地下

コサックたちは屋敷に帰ってきた。

マギローブとエレンはコサックから羊皮紙を受け取り、解析に集中するため別室にこもった。

コサックと魔狼たちは食事をして魔法陣の解析を待ったが、解析をしている部屋からエレンが出てきて、時間がかかることを告げられた。

少し早いがコサックたちは眠ることにすると、エレンがコサックたちに混ざって丸くなった。


次の日も解析は続いた。

昼過ぎになってマギローブが部屋から出てくると、残っていた食事を少し口にしてそのまま寝てしまった。

エレンが部屋から出てきた。


『マギローブが部屋を出た時には解析は終わったんだけどね。肌着を着ている者のみので永続的な効果となると難しいみたいだよ。それにしても複雑な魔法陣だよ。こんなもの作ったのはよっぽど暇を持て余しているか極度のヘンタイだね。』


エレンがため息をつく。


『頼んだのに任せっきりになってごめん。』


『構わないさね。』


エレンがまた部屋に戻っていった。

マクシムとミハイルが狩りに出て行った。

ソフィアとウェラが拠点の防衛のため屋敷周辺を見張っている。

コサックは手持無沙汰のため屋敷内をウロウロしていた。

2階の書斎にやってくる。

何気なく書斎に入り、物色し始めた。


(なんだこれ、新聞?)


陽月歴532年

辺境伯であらせられる~侯爵様が不浄の地を浄化するため勇ましくも挑まれて10年が経過いたしました。

侯爵様のお力添えにより不浄の地の解析が終わるまであと一歩のところであると、大変喜ばしい内容を本誌にご報告賜りました。

この地はすべて浄化され、敵対しているエルフ族との友好を唱え自らこの地に赴かれることを選択された侯爵様の栄誉はフマニテ領全土に・・・


かなり保存の状態が悪く読めるところが少ない。


(この屋敷の主が不浄の地の浄化にあたっていたのか。するとあの小屋の魔法陣はもしかするとこの屋敷の研究者が描いたものかもしれないな。もう少しこの屋敷を探索してみよう。)


コサックは書斎の中をくまなく真実の目を発動して見回した。

とんでもない情報量が目の前に浮かんでは消える。

立ち眩みを起こしそうになりながらもコサックは真実の目を使用して屋敷内を探索した。

1階の長い廊下の先に大きな部屋がある。

その部屋には水場やこんろのような形状のものがある。


(ここは台所か?調理場か、この広さだもんな。)


調理場をくまなく見たが、錆びた調理器具などが転がっており特に収穫はない。

調理場より先は屋敷の執事や使用人の住居となっている。

調理場から玄関ホールに向かって歩き出したとき、コサックは妙な異変を感じた。


(なんだ?真実の目には反応しないけど、風の流れ?かすかだけど感じる。この壁だ。・・・増幅の魔法陣使って見てみるか。)


コサックは羊皮紙を取ってきて魔法陣の上に乗り、壁のほうに向かって真実の瞳を使った。


形状  隠し扉

施錠  あり

開け方 扉の出っ張りを押す


コサックは壁に光で縁取られた扉の出っ張りを押し込んだ。

扉は奥へと引っ込み、横へ滑って開いた。

奥には下へ続く階段がある。


『待てコサック。わたしも同行する。』


いつの間にか起きたマギローブがコサックに向かって飛んできた。

薄暗い階段をゆっくり下っていく。

階段が終わりまた壁がコサックに立ちはだかる。

廊下と同じように真実の瞳で壁を見て、上の扉と同じ形状であることを把握したコサックは、扉の出っ張りを押し込んだ。

扉が開く。

部屋がであることは間違いないが、明滅する液体が入れられたガラス管が部屋を照らしている。


(実験室か、研究室か。)


コサックがガラス管の液体を見た。


用途 不浄の地の浄化

効果 なし(失敗作)


どの液体も同じ結果だった。

部屋の形状は長方形のようで奥へとつながっている。

ガラス管の奥に大量の羊皮紙が積まれていた。

羊皮紙には多種多様な魔法陣が描かれている。

コサックとマギローブは一つずつ確認したが、どれも浄化に関する魔法陣ですべてが失敗作だった。

マギローブの動きが止まっている。

どうやら解析を行っているらしい。


種類 条件発動型魔法陣

条件 この羊皮紙をフィルシズが持つと発動

範囲 魔法陣内と魔法陣の上およそ2メトレの高さまで

効果 フィルシズの理性が戻り保たれる

   襲うことをしなくなり会話が可能


不浄の地で見た魔法陣と同様のものであることがわかった。


『コサック。わたしは解析に戻る。』


そう一言マギローブがコサックに伝えると脇目も振らずにとんでもない速さで飛んで行ってしまった。

羊皮紙を戻しコサックはさらに奥へと入っていく。

壁が見えた。

部屋の端に来たことがわかったコサックは辺りを見回した。

ガラス管の光がここまで届きにくく、見えたり見えなかったを繰り返していた。

コサックが上を見たが何もない。

下を見ると、床に大きな魔法陣が描かれている。

目を光らせた。


種類 条件発動型魔法陣

条件 固い面の上に魔法陣が正確に途中途切れることなく描かれていること

   神聖なものを魔法陣の中心の置く

範囲 魔法陣の面より上下およそ10メトレまで

   魔法陣内に限る

効果 フィルシズを完全に浄化する


「見つけた。」


コサックはつぶやいた。

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