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第17話 魔法陣

『ふーん、なるほどね。ここを拠点に活動するのかい。で、すぐに入るのかい?』


魔猫の問いにコサックが頷く。


『とにかく不浄の地について情報が欲しい。あとどれくらいここで活動できるのかも知りたい。』


『そうさね。情報といえば、まず不浄の地の者は死なないし殺さない。戦うだけ無駄だよ。それと、その者たちを従えることができるらしいよ。言葉も交わせたとか。これから行くとこは不浄の地になって結構古いところだから、奥の方に行けばなにか方法が眠ってるかもねえ。活動限界だけど、不浄の地がここに到達するのは、ざっと5年くらいかね。』


『そんなことができるのか。探してみよう。結構思ったより長く活動できるな。』


『何かあったら侵蝕が早まるからね。長くてって感じだよ。私は不浄の地に行くなんてまっぴらごめんだからね、屋敷の防衛に徹するよ。犬っころも手伝いな。』


魔狼たちは、母親と雄、子供の雄と雌、の2組に分かれ、防衛と調査を交代で行うこととした。

梟はコサックにくっついている。


コサックたちは早速調査に出た。

屋敷から少し東に行くだけですぐに不浄の地の境界についた。

コサックたちは境界を越える。

泥の上を歩いているような不安定な足場を歩いていく。

見た目もまさに泥の色であたり一面が同じ色をしている。

周りに森などがなければ、前後左右、東西南北の認識が狂ってしまうような景色だった。

この世のものならざるものが襲いかかってきたが戦闘はせずに切り抜けていく。

だが簡単に見逃してくれることはなく、コサックたちの後を執拗に追ってきている。

彼らの追いかける速度はそれほどでもないが、次から次に魔狼の目の前に湧いて出てくる。

人型や獣型など様々なものがそれぞれのやり方でコサックたちに襲いかかる。

いつしかコサックたちは大所帯になってしまっていた。


追っ手から逃げていると瓦礫が積まれた場所に出た。


(おそらくここが街だ。)


潰れずに残っている家を目指し、閉まっている扉を開けて中に飛び込んだ。

内鍵がまだ腐食しておらず、コサックはすぐさま鍵をかける。

扉の前に家の中の椅子やテーブルなどを魔狼たちと一緒に積んでいく。

扉をドンドン叩いている音がするが、彼らが家の中に侵入してこないことを確認して、他の侵入口が無いから、家の中を物色して回る。

梟が屋根のほうに飛んでいく。


(入り口はどうやらあそこだけだな。それよりここは民家か?なんでここだけ残ってるんだ?)


周囲の家屋は何らかの形で潰され瓦礫となっていた。

入った家は、扉もまだ頑丈で壁に穴が空いたりもしていない。

コサックはこの家を詳しく調べることにした。


小さな2階建ての家で、吹き抜けになっており、階段を上がると広間に出る。

2階の窓が一つ開いていた。

屋根の所々に穴が空いており、雨漏りからか床が変色し、砂が入り込んでザラザラと歩くたびに音を立てる。


(2階は何もなしか。)


1階に戻ってくる。

すると魔狼がコサックの袖を引っ張った。

引っ張られるがままについていくと、周囲の色と違う壁があった。

ちょうど扉の大きさの範囲だった。

すぐそばに梟がとまっている。


『ここで真実の瞳を使わずして何をするのだ。もう2階は見て回った。何もない。』


コサックは忘れていた。

異常な箇所を真実の瞳で改めて見やる。


形状  隠し扉 施錠なし

施錠  かんぬきあり

開け方 壁板に偽装してあるかんぬきを外す


目の前の壁が青白い淡い光を発し、隠し扉やかんぬきが、光で縁取りされている。


(便利だな、これ。)


コサックはかんぬきを探しずらした。

壁を押してみると回転扉のように壁がずれた。

そのまま扉を回転させ中を見ると、大きな魔法陣が天井に描かれた部屋があった。


(なんだここ。おっと真実の瞳。)


天井の魔法陣を見る。


種類 条件発動型魔法陣

条件 この部屋の魔法陣の中に穢れたもの(フィルシズ)が入ると発動

範囲 魔法陣内と魔法陣の描かれた面からおよそ3メトレの高さまで

効果 フィルシズの理性が戻り保たれる

   襲うことをしなくなり会話が可能


(メトレってなんだ?。とりあえずここに連れてくればいいのか。周りに罠とかは、無しか。)


『そろそろ日が暮れるぞ。屋敷に戻るなら今行くしかない。』


『わかった。戻るよ兄さん。』


コサックは部屋から出て扉を回転させ閉めた。

2階に上がり外の様子をうかがう。

かなりの数が家の周りをぐるぐると歩いて回るなどして取り巻いていた。

家を壊して入ろうとするものは、不思議と全くいない様子だった。


『乗れ。』


コサックは魔狼に跨った。

梟は空高く跳び屋敷を目指す。


『多いのはそこだけだ。』


梟から念話が飛んでくる。


コサックを乗せた魔狼は2階の窓から飛び出した。

ぬかるんだ地面に足を取られそうになりながらも、なんとか着地し、屋敷へとかけた。


(こんなに早く見つかるとは思わなかった。あの魔法陣をどうにか使えないか。)


コサックは少し考えたがすぐにやめ、屋敷に戻ることに集中した。


魔狼たちの全力に追ってこられるものは無く、コサックたちは無事に屋敷に戻ることができた。

今日の成果を拠点組に報告する。


『初日で大した収穫だね。恐れ入るよ。そういうへばり付いた魔法陣は、転写ができるよ。ただそのまま転写しても意味がないから、魔法陣の解析が必要だねえ。』


『条件と範囲を変えられないと使えないか。』


『私には解析は無理だよ。』


『そしたらオムさんに頼んでみるか。』


『信用できるのかい?』


『ほかに頼める人を知らない。使えるものはなんでも使うさ。』


『逞しいね。』


コサックはオムに、魔法陣を見つけたことを電報した。


オムに連絡した後、コサックたちは(倒した)倒れた扉を元に戻す。

拠点組がとってきていた獲物を食べて、流木に祈りを捧げ就寝することとした。

魔猫も祈りを捧げることに一同驚き、物珍しそうな目線をしっぽで払うように一振りしたあと、暗闇に消えていった。

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