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真相 怒濤のごとき告白




おくさん ……?


おくさん、オクサン?


オク……


「ねぇ、君!大丈夫かい?」


ダイジョウブ……?


何がでしょうか……?思わず首を傾げてしまう


「あのね、君に、僕の奥さんになってもらいたいんだ。」


奥さん……あぁ、妾や側室として、ということですね


「失礼なようですが、奥様や側室の方、他の妾の方々は了承なさっているのでしょうか?」


奥さんからしたら、突然来た捕虜のような娘は鬱陶しいだけでしょうし…


側室や妾の方々からしたら目障りこの上ないでしょう、


家庭の和を乱すような真似はしたくありませんからね。


「…………はぁ。僕に奥さんは一人もいない。結婚も婚約もしていない。」


驚きで思わず目が少し開いてしまいました。いえ、瞳孔だけ開いたのかも。


王族として表情を読まれ無いよう、日々訓練してきました。

まぁ、そのおかげで姉と妹に無表情王女と陰で言われていましたが。


それなのに…いえ、私がまだまだなのですね。侯爵閣下と話し始めてから失態ばかりしていますね…


ってそうじゃない、奥さんが、いない……?

亡くした…というわけでも無さそうですし…何故?


「そんなに不思議そうに見ないでおくれ、たしかに僕くらいの年齢で結婚、いや婚約すらしていないのは珍しいかもしれないが……」


「たしかに珍しいかもしれませんが、閣下くらいの年齢でしたら」


「ははっ、君は僕がいくつに見えるかい?」


「23…と言ったところでしょうか?」


「ははは、随分と若く見てくれているんだね。」


……?


高めに見積もったつもりなのですが…?


見た目や話し方は若いですが、仕草や眼差しの強さが若者のそれでは無いのです。


本当ならもう少し上と言いたいところですが、如何せん見た目がとても若いのです、


見た目に騙されて下手な事を言えば痛い目に遭うでしょう


きっと今までにそんな人が何人もいたでしょうね。


「ふふふ、こう見えて今年で30になるんだよ?」


そんなバカな…ありえない…と言いたいところですが有り得るのでしょう、


ですがとても信じられません…


閣下の見た目は下手をすれば十代後半の青年のそれなのですから。


どういうことなのでしょうか、


「気になるみたいだね、でもなんの仕掛けもないよ?


僕の母上の家系はみんな見た目が若いんだ。目や髪の色は父上譲りだが体質は母上譲りなんだ。


勿論、母上も僕と兄妹と言えるくらい若い見た目をしているよ?」


思わず目を瞬いてしまいます、そんな体質があるなんて…


「若く見られるとどうしても相手に舐められてしまうからね。交渉ごとなんかは大変だよ、はは」


まぁたしかにそうでしょうし、本人なりに苦労もしているのでしょうが…


あまりそのようなことを仰っていると、いつか女性達に刺されますよ?


でも、侯爵家当主の身でありながら30になるのに結婚も婚約もしていないなんて有り得るのでしょうか?




「はは、今、30になるのに結婚しなくていいのかって思っているでしょ?


しなくちゃいけないよ、勿論。


だけどこの人っていう人と結婚したかったし、


なかなか良い出会いもなくてね、


まぁ侯爵家だからね、色んな方面から見合いの申し込みはあったけどね。


いまいちピンとこなくてね。


それに父上も母上も理解してくれてね、


仕事も戦闘などは無いし、


最悪の場合は弟もいるし妹夫婦も居るからね


30まではって時間を貰ったんだ。


そして昨年、君の事を知ったんだ。


それから諜報部を使って君の事を色々と調べたんだ。


どうやら君は自分の王国にも地位にもそれほど執着がないようだったし、


穏やかに暮らすのが望みのようだったからね。


恋人も居ないようだし婚約者もいない。


それに、君の父上が隣の国への影響力を得る為にその国の王と密約をしていて来年にその王子との婚約と結婚が決まっていたからね


慌てて我が王太子殿下を唆し…王太子殿下にさりげなくアドバイスをして君の兄さんを焚き付けたんだ。


そして予定通り君を攫って来て王太子殿下に下賜して頂き無事に君が僕の元に来た、と。今ここだね!


ひと月後が僕の30になる誕生日なんだ。だからそこで君に僕と結婚してもらいたいんだ。」




えぇ?




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