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八話

 王都まで、残す所あと一日。

 その直前と成る結構大き目の都市の宿で、俺はだらだらと部屋のベッドに転がっている。


「はい、坊ちゃま、お飲み物ですよ。」

「ふふ、私のマッサージは如何ですか、坊ちゃま?」

「あぅぅ、うふぅ。」


 例のあれから、ずっとナーバスになっていた俺を、道中の馬車内から宿の部屋まで御付のメイド達は更に甘やかしてくれるようになった。

 膝枕あったかくて良い匂い、柔らかくて気持ちよす。うん、そこそこ、もうちょっと下をそんな感じで揉んでー。あふぅ。

 屋敷に居る頃から、べたべたいちゃいちゃな感じだったけども、よりべた甘に成った感じ。お陰で大分調子も戻ってきたよ、うん、ありがとう。


 道中で聞いたんだが、どうも俺のお供をするメンバーの選考過程で、相当に熾烈な蹴落とし合いが行われたらしい。何それ怖い。

 いうて、互いに握っていた弱みをちらつかせて、より立場の強い者が譲らせるとか、武官メイド達だったら普段の仕事の合間に、メイドが頭につけてるあれ、ヘッドドレス?を奪い合って優劣をつけたりとかだったらしいんだが。


 武官メイド?

 普通のメイドとは区別して、武術を身につけた私生活の中で護衛を勤めるメイドを、そう呼んでるんだけどね。

 普段から護衛の騎士を物々しい姿で引き連れるとか、貴族として優雅さに欠けるし、そうしないといけない位身の危険があるのかと勘ぐられたりもするんだよ。

 それを避ける為に生まれたのが、彼女たち武官メイドという奴らしい。

 元は騎士達の娘だったり、傭兵だったり、冒険者上がりだったりと出自は色々だが、腕が確かで見目もよく、教養もマナーも身に付けている事が必須という、厳しい条件を突破した者しか取り立てられない特殊な立場なのだ。

 でも俺、パワレベ養殖のおかげで、彼女らよりレベル高いんだけど。まあ、経験から来る駆け引きで、多分負けるけどね。


 それが、今マッサージをしてくれているアイスブルーのセミロングに同色の瞳を持ったレイセル・ラミラー(二十一歳、レベル四十六)、騎士の娘だった筈。見た目クールで、性格もクール。


 もう一人は普通のメイドで、金髪に緋色の瞳なアリア・セティーロ(十八歳、レベル二十)、寄り子の男爵家の次女だったかな?

 性格はおっとりほんわか何だけどね、一見は。でも選考を抜けて来たと言う事は、つまりそう云う訳なんだろうなー。


 どっちもかなりの美人ですな。そんな彼女たちに甲斐甲斐しく世話をされて、前世オッサン、今生イケショタは蕩けっ放しですたい。控えめに言って最高だろ。

 二人とは、もう色々と行くトコまで行っちゃってるので、おふざけでおさわりしても全然大丈夫だし、こうして宿に泊まった夜には、まあ、毎回だしね?


「私、頑張って勝ち取ってよかったです♪ 坊ちゃまとこうして居られるんですから♪」

「ええ、中々厳しい戦いでしたけどね。だからこそ報われますよ。」


 うん、俺も幸せです。道中キツイイベントも在ったけど、二人のお世話に成りながら王都でも頑張るとしよう。

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