五話
十三歳に成りました。
色々と頑張ってます。レベリングも続いてます。
領内の草原やら森やらでは、経験値的に上がらなくなって来てそろそろ終わりかと思ってたんですがね?
◇
名前:メルクト・フォン・ライハウント
年齢:十三歳
性別:男
所属:オルトニクス王国ライハウント子爵家
レベル:五十四
スキル:生活魔法 初級剣術 初級体術 初級火魔法 初級風魔法 初級水魔法 初級土魔法 身体強化(微)
称号:ライハウント子爵家次期当主
状態:過保護 愛され主君
◇
「では坊ちゃまも、そろそろダンジョンアタックの頃合ですな。」
「え」
「いやぁ~、楽しいですぞダンジョンは! 魔物は尽きる事無く湧き出し、行く手を阻む様々な罠! そして稀に出現する宝箱! きっと気に入って頂けますぞ!」
「いや」
「なぁに、坊ちゃまはいつも通り、ちょろっとだけ焼いて下されば良いのです。後は我らにお任せあれ。ううむ、今から腕が鳴りますなぁっ!」
「あ、はい」
過保護っぷりは変わらないんだけども、君ら最近は自分たちのレベリングに夢中になってる気がして仕方が無いんだが。
地方領主の私設騎士団って、精々平均五十レベルもあれば良い方って聞いたよ?
なに、今の平均レベルは大体八十くらい? ああうん、頼もしいね。
「これも坊ちゃまのお陰ですな! 我ら一同、更なる忠節をお誓い致しますぞ、ハッハッハッ!」
相変わらず、傷一つ負わないパワーレベリングで安心は安心なんだけども。
仮にもし反乱とか起こされたら、これどうしようもないんじゃね?
……俺、きっと良い領主になるよ。ウン、ダイジョウブダイジョウブ。
ダンジョン暗い、怖い、臭い、こんな所に居られるかっ、坊ちゃまおうち帰るぅうううっ!!!!
「ふははははっ、逃がしませんぞッ、逃がしませんぞ~~っ!!」
「ひぃいいいいいいいいいいいいっ?!」
はっ!?
うん? なんだ、暫らくの間の記憶が飛んでる気がするんだが……。今日は確かダンジョンに行ってたはずだよな?
特に問題はなかった? そうか、それならいいんだが……何だその生温い視線は。何でもない?……そうか。
だが妙に疲れた気がするな、今日は早めに休むとしよう。うむ、いつもの如くメイド達が甲斐甲斐しく世話をしてくれる。もうこれにも慣れたし、全てされるがままだな。
だから食事は自分で食うと……いや、そんな悲しげにしなくとも……ほ、ほら、アーンするから、な?
んむ、うん、おいしいぞ。そうそう、お前は笑っていた方が可愛いよ、ははは。
ああ、風呂か。では行くとしよう。
ふぅ、色々と洗い流されるようだ。風呂はやっぱり命の洗濯だなぁ、ほっこり。
え、何処を見ているのかって? いや、それはだな、うむその、あれだ、ごほんっ。
こ、今夜のお相手? あ~……、その、じゃあ、お前にしよう。うん。
メイド?
最近は目が覚めると大体俺の隣で寝てるよ? 全裸で。
性欲には勝てなかったよ……(遠い目)。