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駐車場とコインランドリーだろ



--------

爽やかな朝の日差し


部屋には野郎達がヤイヤイと。おや、爽やかさがどこかへ…




「は!?遊び人ダンジョン持ってんのかよ!マジ!?」


「うん、マジ。珍しい蝶々追いかけて異空間で迷子になってたら

 すげー疲れた顔した、ダンジョンマスターって人に、ダンジョンコア1個貰ってな。

 なんか増えたから今8個経営中なんよ。」


 朝っぱらから騒がしい剣士。

 俺と一緒に勇者の部屋で朝食を食べている。


「いやいやいや、8個は異常だ。ダンジョンコアなんてまず見た事ないレア中のレアな代物だろ!

何をやらかしたんだよ遊び人。」


「あれか!ライバルダンジョンマスターとダンジョンバトルしてダンジョンコアを集めたのか!?」


「おはよー…」


賢者と魔術師が興奮しながら混ざってくる。その後ろに眠そうな狩人。


 神官は仕事へ行った。


「まさか、何もやらかしてないし、ダンジョンバトル(何だろうそれ)?とか

 本格バトル向きじゃない俺が出来るわけないだろ、なー勇者。」


 勇者のふわふわ頭を撫でる。

 無表情ながら目を細める勇者。何だこの生き物は。和むぞ…。


 前回の飲みの時に長男パワーとか、長男の祝福とか謎ワードがどんどん飛び出して

 勇者が回復するために傍に居てやってくれと、皆に頼み込まれ、

 つい気圧されて了承してしまった。そして今に至る。


「ダンジョンコアをボール代わりにしてスライムとキャッチボールしてたら、

 スライムの核に当たって、なんか融合しちゃったっぽくて、取り出せなくなってな。


 放っておいたら次の日、スライムが分裂して2匹になってて、

 ついでにダンジョンコアも二つに増えてたんだよ。


 で、数年何が原因がわからないまま8個にまで増えちゃって、

 どうせだからとダンジョン作ったのよ。」




「「「………」」」




「8個……あのさ、もしかして、遊び人のダンジョンって、

 結構大きいダンジョンの側にあったりする…?」


 狩人が恐る恐る聞いてきた。


「おう、さすが狩人いい勘してるな。【ダンジョン "道の駅"】っていうの。」



「「「ダンジョン道の駅」」」




-------


「絶対転移者か、転生者が関わってると思ったら」


「よりにもよってお前かよ!」


「利用したことあるわちくしょう!」


「すごい快適だったよ…、ありがとう…」


賢者、魔術師、剣士、狩人。それぞれが

思いの丈を叫ぶ、お、狩人いい子だ、銭湯の割引券をあげよう。


「ははは、皆知っててくれたのか、どうだった?」


「道の駅でもねえしダンジョンでもねえわな。

まあ、近所の農家の人が持ち寄ったお野菜とかお惣菜が売ってたり

大きいダンジョンの成り立ちとか耳寄り情報が貼ってあったりするのは

道の駅っぽかった。」


「そこだけな。あとは、

銭湯とカプセルホテルとコインランドリーに漫喫みたいな娯楽本喫茶…

果ては24時間コンビニとか…

併設してるの!おかしいだろっ!絶対どっかで頭打ったろお前!」


「失礼な魔術師め…頭打っててあんな素敵なダンジョン作れるわけないだろうが。

土地か金がある場合、下手な店作るより、月極め駐車場かコインランドリー作っとけば

大体失敗しねぇって爺ちゃんが言ってたんだよ。


ダンジョンコアって平たく言えば土地と金の権利書をコンパクトにした石!みてーなもんだろ、

駐車場はこの世界じゃ需要ないし、ならせめてコインランドリーぐらいは作るだろ?

コインランドリー作ったら洗濯中の暇つぶしに、コンビニか漫喫欲しいだろ?」


「それだよ!どこにダンジョン要素があるんだよ!ダンジョンの意味ggrあ、ネットねーわ

つかダンジョンコア使って最初に作ったモノがコインランドリー?バカじゃないの!?」


「お前の爺さん凄えなー、快適空間過ぎて、隣の大きいダンジョン探索が進む進む。

道の駅ダンジョン(?)は探索進まなかったけどな。」


「魔術師、バカとはなんだバカとは。

しかし賢者、気づかなかったのか?コンビニのバックヤードに、

なんか、ほら、裏から飲み物を補充する用の扉があるだろ?

そこがダンジョンボス部屋への扉だ。」


「気づくかっっ!!んなもんっ!!」


逆ギレとはヤレヤレだぜ魔術師め…ニヤニヤしている俺をふくれっ面で睨んでくる魔術師。


「僕…、気づいてたけど…でも、普通バックヤードって関係者以外立ち入り禁止でしょ?

そこに入るのって…」


「……

…………はっ!

言われてみれば一般人はバックヤードに入らない…というか入っちゃいけない…さすが狩人…!」


俺という奴は!!度重なる迷子の末に地球の常識が異界ズレしてしまっていたというのか!


ショックでorz状態になってる俺に、


半笑いで賢者が聞いてくる


「ちなみに、そのダンジョン(笑)どんな作りになってるの?」


「あ、ああ、ボス部屋の扉に入ると、通路の両側から超強化ガラスの壁が迫って来て」


「え、なに、グロいの!?」

さっと青ざめる賢者、ああ、そういえばグロ系苦手とか言ってたな。


「ガラスに押されてブサイクな顔になったら写真が撮影される仕組みだ。

そしてその顔をダンジョンボスが見て大笑いする、というネタを仕込んでおいた。」











次話は明日の朝更新です。

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