天使の涙 【エピローグー3/5】
テレビ放送
教会の中に、多くの人が避難している。
2日たち、3日たち、人々は落ち着きを持ち始めた。そして生きることを。
その中、多くのテレビ中継が入って来た。
「何事?」
街内会のママさんが、集まって来た。
「この教会ですね?」
「天使がいると言うのは?」
「えっ。何故?」
スマホのアプリを見せた、テレビ局の人達。
「教えてください。本当ですか?」
と、ママさんに聞く、アナウンサー。
ママさんが困っている。
「いつからですか?」
「わかったのは?」
答えなれない、ママさん達。
「どうしたの?」
エミが聞いた。
「エミちゃん。」
前に押し出したママさん。
「実は…。」
話をする、テレビ局の人達。
「スマホで天使を流した人。誰。」
「やっと、落ち着いたのに。」
「出ていって!」
怒る人が、いる。教会が、騒がしくなった。
(エミ姉。マキママ。なにかあったの?)
天使が降りて来て、エミの頭に、頭を置いた。
「ダメ。アン。」「私の髪で遊ばないの。」
天使のリンが、マキママから聞いた。
(なんだ。そんな事か!)
(真に聞いて。)
言うと、アンの頭を叩いて、出ていった。
「あの、真は?」
(あんた。真とどういう関係?)
「えっ。」
(真は、私達天使に、大切な人。)
(真がいるから、私達も、楽しんでいる。)
真を知っている人達は、驚いた。天使が真を褒めるなんて、どういうこと。
声が聞こえる。
(リン!)
(マリー、どうしたの?)
(エリカが大変なの。)
(天上界に通じる門を開きます。)
(それって、この前、空いたのは?)(私、知る限り、200年前。)
(曼荼羅を使うは。)
(真を迎えて。)
言うと、マリーは、教会の奥に入った。
間もなく、黒い自動車が教会の前で止まった。
テレビ局のカメラマンが、アナウンサーが、殺到している。
「邪魔者!」
「飛鳥会長!」
言う、アナウンサー。
空いた自動車のドアから、ヒトミが、メグミを抱いて、降りた。
ドアの周りを、黒服のガードマンが、立っている。
その周りに、天使が、何人も、何十人も、降りた。
(道を開けなさい!)
輝く、刃を持った、天使のアンが言った。
(さすが、聖騎士団の隊長。)
(天上の母上の護衛部隊隊長。)
人間に聞こえるように言う、天使たち。
アンの横には、アンと同じ、輝くサーベルを持った天使たちが何人もいる。
真を、エリカを囲むように、して、教会に歩く天使。
続く、ガードマンに、飛鳥会長。お姉さん。ヒトミさん。
「誰なんだ、真と言う者は?」
真を見る、飛鳥会長。
(エリカ。真。)
マリー姉さんが、話かけた。
(エリカは?)
まだ、寝ているエリカを見る、マリー姉さん。
(エリカ。大丈夫か?)
サリバン牧師が、見ている。
(天上界の門を開けます。)
(エリカと真の為に。)
マリーの指示の元、壇上に、天上陣を書いた天使。
真とエリカ。誠二の魂が、天上陣の真ん中に立った。
(私もさせてくれ。)
6人の天使とサリバン牧師が、天上陣にはいった。
神言葉で曼荼羅を唱える、天使たち。ステンドグラスが、回っている。
3枚のステンドグラス。中に、天上界の神々が、天使が、描かれている。
光が、天上陣の上に舞い踊っている。
輝く光の束が、真とエリカに、降り注いだ。真とエリカは、持ち上げられて、輝く光の球になって、ステンドグラスの中に入った。
教会の壇上には、6人の天使が、倒れている。
(キツイ。)
ヘルガが言った。
(この前、開けたけど、疲れた。)
(どれぐらい前?)
(忘れた。)
マキママが、エミ姉が、壇上に上がった。エミ姉が悲鳴を上げた。
「サリバン牧師!」
(騒ぐな。)
サリバン牧師の手が、足が、なくなっている。金の粉になって、銀の粉になって、消えていく。
その姿は、徐々に、身体が溶けて、金の、銀の粉になって、飛んでいった。
「サリバン牧師!」
エミが、サリバンの頭を抱いて泣いている。
(いいんだ。これで。)
「なんとかならないの?」
マキママがマリーに、ヘルガに聞いた。
黙る、天使たち。
地霊が、サリバンの元に集まった。サリバンにまとわりつく、地霊たち。
イナズマが走った。サリバンの身体が、再生されていく。
そして、地霊たちは、蟲になった。
(やめろ! お前たち。)
(もうすぐ、天上界からお迎えが来るんだ。)(俺たち。また、始めからするよ。)
(サリバン牧師に、生きていてほしい。)
(エリカさんの為に、真さんの為にも。)
(まだ、若い真さんの力になれるのは、サリバン牧師しかないよ。)天使たちが、エミ姉が、マキママが、見ている中、多くの地霊たちが蟲になって、教会の隙間に消えた。
多くの地霊テレビ局のカメラが、カメラが、スマホが、天使たちの祭りを撮っていた。
始めて、カメラに収める、神事中の神事。
何百年に1度の祭り。再生して見ると、途中まで、取れているが、バッテリー切れになって、取れていない。
神事が終わった後、カメラがスマホが、動いている。
何故? ささやき合うテレビ局のデレクター。
(神事を撮るなんで、どういうことですか?)
何人もの天使たちが怒っている。
「しかし、これは、貴重な神事で…。」
(お黙り!)
アンが怒っている。
(人間よ。この星で、最高の者と思うな。)
(お前たちの見たもの、感じたもの、小さなことだ。)
(天上界の父上、母上に、並ぶことなど、はなはだしい!)
(母上、父上は、もう、次の指導者を、考えておられる。)
言うと、アンは、輝く刃を頭上に上げた。教会の中に、イナズマが走った。
イナズマをまとった刃を、盾ついた、カメラマンに向けた。
「ヒッ!」
カメラマンがカメラを落とした。
カメライナズマが当たり、炎が上がった。
火が消えた時、カメラが溶けていた。