表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/20

天使の涙ー真16歳【エピソード3/2】

エリカが、天上の母上から、お願いされた。

ある男の人を、天上界に連れて来てほしい。と。

エリカ、母上の頼みと、自身の心の痛みに苛ませて、落ち込んでいる。

真が、何故、エリカに母上が言ったのか、考えていく。

人と天使のパートナーだから、出来る事なのかもしれない。

   真ー16歳ー高校1年


学校の帰り、ミサと、サッカースクールの仲間達は、真をつけていた。

真は、バックから、カギを取り出して、教会の中に入った。

「ね。真、教会に入ったでしょ。ミサ。」

「ウン。」

ミサの家は、代々続く稲荷神社の娘。

彼女も、神社を継ぐものだと、思っていた。

「知っていた?」

「え?」

「真、教会に行くの。」

仲間の娘が聞いた。

「私、知らなかった。」

「この前なんか、真の家族と来たみたい。」

「お化け寺だから、みんな気にしてないし。」

「そうよね。この前、注目あびたのは、…、いつだっけ?」

考える、仲間達。

「あの時よ。真が、教会で、お化けを見たって、騒いだ日。」

言った、ミサ。

「あぁ、あの時か?」

なにも考えてない、仲間が言った。

その娘の腹をつつく、仲間達。

「ミサの気持ち、考えなさいよ。」

にらまれる、女の子。

ミサは、仲間達の話を聞いていない。

「いつから?」

ミサが聞いた。

「私も、この前、知ったの。」

女の子達が言った。

「よけいなことだったかな?」

気を遣う仲間。

「ううん。いいの。」

ミサが言った。

「出てきた。」

「えっ? あの人、誰?」

みんなが見ている。

「知らない…。この街、知っているつもりだったけど…。」

うなずく、学生達。

真は、女の人を自転車に乗せて、アーケードの中に消えた。

女の人は、真の首に手を回して。

真が行った後、ミサ達が、出た。

「なんだい。かくれんぼかい。」

声をかけられた。驚いて、飛び上がった、ミサと仲間達。

「どうしたんだい?」

店のおばちゃんが聞いた。

「ネェ、真。いつも、教会に来たの?」

「なにを言う人々のよ。あの時、両親に起こられて、懲りたはずよ。」

ミサに言った。


真が、初めて教会に来てから、何度目の秋が来た。

窓から、落ち葉がゆっくり落ちていく。

教会の中は、少し寒い。そして、暗い。

人々が来なくなって、何年もなる。

埃が積もっている。

真が歩く道だけが、足跡で、道が出来ている。

もし、人々が来ても、天使の導きがないと、入る事が出来ないだろう

礼拝堂の中、エリカは、祈りを捧げていた。

その横に、膝をついた真。

サリバン牧師が、現れた。

(なにかあったのか?)

エリカが長イスに座った。

(今日、天上の母上から、言われたの。)

(でも、今度の頼み事。私、やりたくない!)

真と、サリバン牧師が聞いている。

(その男の人、もうすぐ、亡くなるの。事故で。)

(結婚していて、この前、赤ちゃんが産まれたばかりなの。)

(男の人のお父様は、会社経営者でその人を時期経営者にと、思っているの。)

言の葉を選んで話す、エリカ。

真の心に、エリカの心が入ってくる。

(つらい…。やりたくない……。)

「それなら、断ったら。“イヤです。やりません。!” って。」

真がエリカに言った。

(えっ!)

サリバン牧師が真を見た。

(で、でも、そんなこと、できない。)


天上界。天上の母上、天上の父上が、水鏡の前で、地上界を見ている。 水鏡に映る、エリカと真。

(なんて事を言う子供だ。)

付き添いの天上人が怒った。笑ってしまった、母上。

(私の選択、間違ってしまったかしら?)

テーブルには、チェス盤のようなものが置いてある。

チェス盤に触った、父上。

チェス盤が増えた。横に、立てに。

駒は、白に黒。金の駒に、銀の駒。ダイアモンドの駒、などなど並べている。

そのチェス盤に、人々が乗っている。

人と同じ大きさの駒を、動かしている。

(私、選択、間違ったのかしら?)

(時を戻した方が、よかったかしら?)

笑って言う、母上。

(3000年の世界を、いじることは、リスクが大きいな。)

(それより、ふたりを消すか?)

父上が言った。

(ええ? エリカもですか?)

(あの娘は、心が危うい。)

(しかし、あの娘は、人間のとき、進んで人柱になって、人民を、火と水の国を救いました。)

(そうだな。あの娘は、強い娘だ。)


(母上の言うことだから、ただしいの。)

真は、黙った。

「何故、エリカなんだろう?」

(えっ!)

「なんで、エリカに話したのだろうか?」

「エリカ。天使って、どれくらい? 何人いるんだ?」

(解らないけれど、多いは。)

「なぜ、エリカに話をしたのかな?」

(何が言いたい?)

サリバン牧師が聞いた。

「なんで、母上は、エリカにしたのかな?。って、考えたんだ。」

「何か理由があるのか? と思って。」

(えっ?! なんでって。私達天使は命を天上界に連れていくのが役目でしょ。)

「エリカは、いままで父上、母上に、頼み事されたことあった?」

(私は、はじめて。)

「エリカは、天使達は、亡くなった人々の命を、魂にして、天上界に送っていくのだろう。」

「エリカの言う人は、今、元気に生きて働いているんだよね。」

(えっ! そうよね。)

(まだ、生きているな!)

「まだ、生きている人の魂を、天上界に送るなんて、なんで言ったのだろう。」

(それは…。)

「元気に働いている人を!」

「エリカに命じたのだろうか?」

「エリカは知らないだけかもしれないけれど、何人もの特別な天使がいるのか?」

(特別な天使なんているのか?)

牧師が聞いた。

真は、リングを見せた。納得する、サリバン牧師。

(そんな…。ごめんなさい。真。)

「あやまることでもないよ。エリカ。」

「エリカと会ってよかったと思っている。」

笑った、真。

「あの時、エリカに会った事は、偶然だと思う。けど、エリカを見つけてしまったことは、よかったと思っている。」

手に力が入った。

「あの時、サッカースクールの仲間と近道をしたから。」

「このお化け寺、って呼ばれている、教会で、女の人を見かけた。」

「一人の女の人を見つけた。」

「天使のエリカと出会った。」

「だから、今、エリカと話しが出来る。」

「エリカとの出会いは、偶然だけど、出会ったことは、運命のことだったと思う。」

エリカは、手を解いて、首に手を回した。

そして、羽根を広げて、真を包んだ。

「人生って解らないことだらけだよ。」

真が言った。

「俺は、多くの道があって、そのひとつを歩いている。」

「立ち止まって、後ろを見れば、歩いた道が光っている。」

「あの時、こうすればと、思う一歩もあるけれど。」

「俺の道は、エリカと出会いが、1番輝いている。」

「その子も多くの選択があると思うよ。」

「1番の進む道は、天上の母上の描いた道だと思う。」

「でも、その子にとっても、母親にとっても、つらい道だと思う。」

真が話をした。

「エリカが行かなくても、他の天使がいくと思うよ。」

「それとも、誰も行かないかも。」

真が続けた。

「もし、もしも、エリカが断っても、他の人が引き継いで、その子は幸福になるだろうか?」

エリカとサリバン牧師は、真を見た。

「母上の祝福を受けて、母上の作った道を歩んで行くだろうか?」

(真の言っていること、解らない。)

埃の積もった床に書く。

「エリカが出会って走るスタートラインと、他の天使のスタートラインが同じ方向で同じ処を向いているのかな?」

「踏み出す向き、一歩が違うと、人生も、関わる人達の道も変わると思う。」「人生の道は、人が作る。でも、俺とエリカのように、母上が背中を押してくれた道を進む人もいると思う。」

「今、エリカが、俺が、その人々に手を差し伸べる時だと思う。」

エリカが、手を見た。

横で、エリカの手を握った、真。

愛に満ちた手と、力強い手。

(真は、面白いことをし考える。)

サリバン牧師が言った。そのふたりの手を見る。

夕日が、教会に入ってくる。

天使達が、ふたりを見て、笑いながら飛んで行く。

(真。日が暮れる。)

サリバン牧師が言った。


真のマンション。エリカが一緒に来た。

「ただいま。」

真が帰った。おふくろ、真を見ずに返事をした。

(おじゃまします。)

エリカを見た、おふくろ、手を止めてエリカに抱きついた。

「エリカちゃん。」

顔を見て言う。

「ただいま。よ。ただいま。っていってね。」

言う、マキママ。そして、真をにらむ。

「そうだね。」

ピクピクと顔がひきつる。

エリカは、真を、マキママを見て、

(どうしたの? 真。)

「なにもないのよ。ネェ。真。」

エリカは、真の後をついて回った。

「宿題。ソファでするよね。シン!!」

マキママをにらんだ、真。

「わかった!」

部屋に入った、真。

(どうしたの。真?)

「おふくろが、エリカといたいって。」

(私、一緒だけど。)

「おふくろには、『ただいま。』と、言うこと。」

(真がそう言うなら、いいけど。)

「仕方ないさ。家で一番偉いのは、おふくろだから。」

(? ……。 ママさん?)

(パパさんでなくて?)

エリカ、考えている。

「真、なんで、ソファで勉強しているのよ。」

「ここ、私の場所なんだからね!」

エミ姉が、高校から帰るなり怒った。

「わかった。エリカ。行こうか!」

立つ、真。エリカも立った。

「エミ! 今日は、真の席よ!」

ママを見る、エミ。

エリカが、エミ姉と、マキママを見ている。

真が、立った。

「エ、エリカ!」

ママとエミ姉がトイレを見た。

エリカの半身が、トイレのドアに吸い込まれている。

「ゆっくりさせてくれ!」

ため息をついた、エミ。

「今日だけ、真に譲るから。」

晩ご飯の準備、エミが使われている。

「パパ、今日は早く帰るって。」

メールを見たママ。ママの機嫌が上がった。

真は、パソコンを使っている。

エリカ、真のすることに驚いている。

テレビスクリーンに出した聖書。

驚いて、喜んでいる。

エリカが、話している。

「じゃ、これって、薬草の本?」

(そう。)

(教会の権力って、文字を読めること。)

(多くの牧師に、文字を教えて、人々の上に立ったの。)

「で? 」

(天使が、見まわって、やりすぎている教会に、牧師に、注意するの?)

(まぁ。人によって様々だけど。)

「人って?」

(天使。)

晩ご飯の準備の中、

「テレビ、もう1台ほしい。」

エミ姉が、マキママに甘えた。

「何言っているの。部屋にあるでしょう。」

「ここの、真が使っているから。部屋でひとりいると、寂しいの。」

エリカが見ている。

ママさん、ため息を。

「パパに言いなさい。」


晩ご飯。5つのイスがある。

真の横にエリカが座っている。

その横に、マキママが、いる。

肉じゃがと、アゲと菜っ葉の煮物。それと、みそ汁。

エミが、ため息をついている。

煮物は、エリカの為に作ったもの。

肉も魚も食べられない、エリカ達天使。

エリカが来た時にと、ベジタリアン料理を作る、ママ。

「今日は、エミが作ったのよ。」

ママがエミを見ている。

「そうか。すごいな。」

ヒロシパパ、エミが、おねだりしてくるので、話をおった。

ママが見ている。

エリカが、3人を見ている。

ママと、パパとエミの攻防戦。真が立って、ご飯と肉じゃがのおかわりをした。

「ネェ。パパ。」

「ダメだ!」

「まだ、話してない!」

「お前のことだ。また、ねだるのだろう!」

「パパ。テレビ、ほしい!」

「ママに言え!」

「ママ~。」

「ダメです!」

(エミ姉さん。)

「エミでいいよ。他人みたいだし。」

(?。)

エリカが考えている。

「どうしたの?エリカちゃん?」

(テレビ、何故ほしいの。)

エリカがエミに聞いた。

「今日、真が使っているから。」

(真は、テレビで見たいの?)

「エリカとふたりで見られるから。」

(私は、真となら、どこでもいいの。ここでも。真の部屋でも。)

「ダメよ!エリカちゃん!」

マキママが声を荒げた。

「私は、エリカちゃんが、そばにいて欲しいの!」

「ネェ。パパ。」

「俺もな。」

「エミは?」

「私も……。」

真は、食べている。

(…。本当だ。)

「なにが?」

ママが聞いた。

(真。言っていた。ママさんが1番偉いって。)

パパが咳き込んだ。

「真。なに教えるの!」

「エリカー。」

笑う、パパとエミ。

(どうしたの。)

かしげる、エリカ。

天使のアンが、マリーが、ヘルガが、窓を抜けて、入って来た。

(アッ!)

(エリカがいる。)

(おじゃまします。)

(やっぱりいたんだ。)

「えっ?」

驚くエミ。

「いつものことだよ。」

見る、真を。

「みんな、いい子にしていただけ。」

エリカが、アン達と、ソファに座った。

(ネェ、真。テレビみたい。)

「エミ姉。頼むよ。」

「なんで、私が…。」

「じゃ!私が。」ママが立った。

「私がするから。」

エリカのところに来た。

「何、見たいの?」

(ローマ!)

「ローマの休日だよ。」

と、真が言った。本箱に入っている、DVDをとる。セットした、真。

「なんで、エリカ、しないの。」

エミ姉が聞いた。

「出来ないんだ。触れない。だから、窓ガラスをすり抜けて、入ってくる。」天使が、喜んでいる。

エリカ達の為に、何回もかけたDVD。

いつも、喜んでくれる。

「ネェ。真。」

おふくろが聞いた。

「もしかして、今まで借りて来たのって、エリカちゃんの為?」

「そうだよ。」

笑う、真。

「おふくろ。ママさん達と踊っているの、知っているよ。」

顔が、にやけた。

「ウソ!」

「怖いから、見に来て~。」

エミが、見ている。

「ミュージカル映画で、盛り上がって、声、ガラガラ。」

「デート。映画館だったし。」

「フランス映画。」

「ブチュツって、キスしたんだって。ママから。」

パパさん、ママの顔を。

パパは、頭から湯気が上がっている。

「誰から聞いたの!」

真がエリカを見た。

「エリカちゃん?」

(ハイ! ママさん?)

「ううん。なんでもないのよ。」

ため息が出た。

「全部、筒抜けなんだ。」

エリカを見る。

4人の天使が、笑って、見ている。

「にぎやかね。」

「エミ姉、入ったら!」

真が言った。

「エリカ、エミ姉の話している。メールの話や、ファッション雑誌の話。」「そうなの?」

「おふくろの話もしている。」

「私の話?」

「人との出会いないから、知りたいのさ。」

「いつも、教会だし。教会、人来ないから。」

「話の中に入ったら、おふくろも。」

「まぁ。3000年生きた妹。大変だけだろうけど。」

真は、食器を片づいたテーブルで、パソコンを見た。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ