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第一話 ”転生”ですよね!?

気になる箇所が有りましたらどんどん教えて下さい。

_________________________________________________


「ここは何処だ?」


周囲を見渡してみるが、在るのはちゃぶ台だけだった。そのちゃぶ台の前で俺は何故か正座をしている。


あれ? 俺死ななかったっけ? 確か母さんから電話が来て、母さんの様子がおかしかったから慌ててバイクに乗って・・・あぁ、そうだった。俺は逆走してきたトラックに轢かれたんだった。 改めてココドコ? 天国なの? 俺は親に迷惑ばっか掛けてたけど地獄は嫌だよ!?


「ホーッホッホッ」


「誰だ!?」


「わしじゃよ、わしわし!」


突如ちゃぶ台の向こうに白髪の頭が見えた。そして下から上がって来たかのように、頭から順に顔、体が出てきた。顔はおじいちゃんのその人はお盆を手に持っててその上にはミカンが2つと急須と何故かガラス製のコップが在った。


「えっと、あんた誰です?」


「わし? わしは神様じゃよ!」


「ここは何処ですか?」


「地球で死んだ人が来る所じゃ」


「天国ですか?」


「天国なんてまず存在せんわい」


神様は笑いながら言った。


「俺はどうなるのですか?」


「それを含めてわしが色々説明させてもらう、質問ばかりさせられてもつまらんしの」


神様はコップにお茶を注ぎながら言った。


「ここでは次の人生を決める事が出来るんじゃ。また日本で赤ん坊から新しい人生を送るのも良し、美人な人のペットとなるのも良し、鳥になって大空を自由に羽ばたくのも良しじゃ」


「そんなこと言われても俺は生き返ってどうのこうのするとかもう嫌なのですが。正直もう疲れたし、俺が生き返っても俺のPCのデータ使えないし」


「な!? 運が良ければ超絶イケメンの男にもなれるんじゃぞ?」


「だからもう疲れたんですって、どうせ生き返ってもっても記憶が消されるんでしょ?」


俺はコップにお茶を注ごうとしたが急須には一人分のお茶しか入ってなかったようで、注ぎ口からは数滴ほどのお茶しか出てこなかった。俺は少しイラつきながらもミカンの皮を剥いた。


なんだこれ


ミカンの中には何も入ってなかった。


中身が無いなら普通触っただけで分かるよな!? 全然分かんなかったぞ?


「何で中身無いの? 嫌がらせです?」


「あー、たまたまじゃろ気にするでない」


そんなこと無いだろ。


「まぁいいです。さっきも言った通り生き返るのはゴメンです」


「待て待て待て、記憶が在ればいいんじゃな! そうじゃろ?」


「はい、でもどうせ」


「大丈夫じゃ! この世界ではそう言う決まりなんじゃが別の世界なら大丈夫かもしれん! ドキドキワクワクの異世界じゃ!」


「だからおれh今の事について詳しく」


「ホッホッホ! やはり食い付くか! 当然じゃのう、お主は現世ではゲーマーでアニメ、ラノベ等をこよなく愛してたニートだからのう!」


めっちゃ殴りてぇ・・・


「良いか! 良く聞くがよい! このわしが他の神に頼み込んで異世界に転生させてやると言ったのじゃ!」


「あなたは神ですか?」


「神じゃよ! んじゃ今から頼んで来るからちょっと待っとれ」


っしゃぁぁぁぁ!!!! 異世界で新しい人生を送れるなんてこれは俺主人公のラノベか!? しかも記憶付きとかヤベェよ! 俺は最強の仲間と共に魔王を倒し、伝説の勇者として崇められ英雄となる! しかもこう言うのは転生する時に何かしらの特殊能力が貰えるモノ! 


「高ぶって来タァァァァァァァァァァァ!!!」


「あのー」


「はっ! あぁ、すいません。つい嬉しくて」


いつの間にか僕の目の前に超絶可愛い金髪の女神様が居た。あとおじいちゃん神も居た。


「大丈夫ですか?」


「は、はい。絶好調です」


「きっと「俺が魔王を倒して崇められる存在になる!」とでも思ってたんじゃろ、こいつニートだったから。」


「ゼウス様そんなこと言っては可哀想です」


「ゼウス? ゼウスってあの全能神の?」


「はい、この方が貴方の仰る通り全能神ゼウスです。そして私はラファエルです」


やっべ、俺全能神相手に平常運転だったんだけど。


「東田創です、以後お見知りおきを」


「何かわしの時と態度が全然違うんじゃが!?」


「何を言っておられるのですゼウス様」


「あら、良いお方じゃないですか、最初はビックリしましたよ」


「すいません、私は早く異世界の人々を魔王の呪縛から解き放ちたいのです」


「違う! 明らかにさっきと違う!」


「そうですか・・・では急いだ方が良いですね勇者さん」


やっべ、たいが可愛か。惚れたかもしれんばい。


「宜しくお願いします。確認ですが、本当に記憶は受け継がれるのでしょうね」


「はい、その心配は要りません。今から創様が行かれる世界の説明をさせて頂きます」


「すいません、わざわざそんなことまで・・・」


「ラファエル! さっさと説明して転生させなさい! わしは次の人間の相手をする」


「畏まりました。急げとの事なので簡単に説明します。創様が行かれる世界には職業が在ります。自分の職業を知る為には冒険者ギルドでギルドカードを作らなければなりません、職業によって使えるスキルも異ります。あとは創様の仰る通り、魔王の存在が在ります。文字や言語は生活している内に覚えると思いますが今ここで文字、言語を理解する事も出来ますがどうなさいますか?」


1歳でいきなり喋り出して「天才」とか言われたいんでね、ここはもちろんお願いするでしょ。


「お願いします」


「畏まりました。では、失礼します」


そう言うと彼女はちゃぶ台を回り込み、俺の元に来て頭に両手を置いた。


おぉ・・・! でっか! 何がとは言わない。


1分程良いものを見せて貰った。


「もう大丈夫です。ほら、私の言葉が通じますよね?」


「バッチリです」


「最後に特典を一つ付けさせて貰います。この中から一つ選んで下さい」


ラファエル様が指を鳴らすとちゃぶ台に10個のカードが現れた。カードには色々な効果が書かれていた。


「私は運に全て任せます」


やばっ! つい、カッコつけちゃって言ってしまった! ええい! この際何でも良いわ! 


「何て邪念の無いお方・・・!」


あ、可愛い。やっぱりこれで合ってたわ。


俺が引き当てたカードは


□頼れる仲間3人とマーメイド並みの魔力


「うん」


「あ、それですか、分かりました。転生時にこの能力を付けさせて頂きます」


「はい・・・」


「では、良い人生を!」


早い! そして何かしっくり来ない!


パチン


「ふぅ、終わりました」


_________________________________________________


ん・・・あ、転生し終わったのかな? そうだ! 母親を心配させるといけない、泣かなくちゃ。


「おぎゃぁ! おぎゃぁ! おぎゃ?」


声低! あれ? 転生だから産まれるとこからじゃないの?


俺は恐る恐る目を開けてみた。俺が居たのは病院ではなくーー公園の芝生だった。思わず立ち上がり周りを見る。色んな人が俺の方を向いていた。


まぁ、そりゃ公園でいきなり泣き出したら皆ビックリするよな・・・じゃなくて何だここ! こんなのただの転移じゃん! 俺は青春がしたいんだよ! 29のニートの体で冒険なんてしたかねぇんだ! 取り敢えずギルドに行かねぇと金がマズイか。多分あっち側(ラファエル様)のミスだろうから何とかしてくれると思うけど、もしどうしようも無かったらもうこのまま冒険者するしかねぇ! 決断の遅れは後々致命的になる。


「すいません、ちょっとお尋ねしても良いですか?」


「はい、何でしょうか?」


「冒険者ギルドを探しているのですが分かりますか?」


「冒険者ギルドですか、今暇なんで案内します」


「ありがとうございます。助かります」


いかにも暇そうだったから声を掛けてみたがビンゴだったぜ。


「ここに来るのは初めてですか? あ、すいません自己紹介が未だでしたね」


「はい、初めてです。気になさらなくて良いですよ」


「私はソニア、竜喚士です」


彼女は歩きながら胸ポケットから恐らくギルドカードと呼ばれる物を取りだして見せてくれた。


 ソニア 竜喚士LV35


長く持つのは失礼なので名前と職業とレベルだけ見て返した。


「ありがとうございます。実はこれから初めてギルドカードを作って貰うんです」


「そうなんですか? 私が手伝いましょうか?」


優しすぎるだろこの人。あと可愛い。顔と体型から察するに多分20いってないだろ。フフフ、ロリか。折角なのでソニアちゃんに手伝って貰お。


「良いんですか? 俺は何も返す物が無いのですが・・・」


「いいんですよ! 「人助けは率先してやれ」と何度も親に教わっているので・・・あ、そんな事よりもあなたのお名前を聞いても良いですか」


「失礼しました。俺は東田創です。あ、敬語は使わなくて結構ですよ」


この人がもしかして頼れる仲間の一人なのか? 優しすぎない? 地球人が冷たすぎるのか? でもその中でも日本人は無茶苦茶優しい方なんだが。こう言う人とはどんどん交流を持っていた方が良いからな。まずはタメ口で親近感を出す作戦だ。


「え? は、はい! ではタメ口で喋らせて貰いま、じゃなくて貰うね。宜しく、ヒガシダハジメ君」


君? まるで上司みたいな言い方だけどいっか。懐かしいなその呼ばれ方。


「無理にしなくても良いんですよ。あと、東田は名字です」


「もう、「私に敬語は使わなくて良い」って言ったのにヒガ、ハジメ君もタメ口で言ってよ」


「ごめん」


今ヒガシダって言いかけたな。


「ギルドは彼処だよ。ほら、あの格好いいやつ」


ソニアちゃんが指差した場所には周りの家が煉瓦造りなのに対し、木材で建てられた建築物があった。


目立つな! 遠くから見て変な家だとは思ったけどまさかギルドとは予想外だったよ! 


_________________________________________________

ギルド内


「彼処で受け付けするんだ。職業を決める際に色んなテストをしないといけないんだけど、どれも難しくないから安心して」


「分かった」


俺らは受付嬢の所に行った。


「こんにちは、ギルドカードを作成したいのですが」


「はい、ではここにお名前を記入してください」


一応カタカナにしておくか。


 ヒガシダ ハジメ


「ヒガシダハジメさんですね、畏まりました。では、後でお名前が呼ばれますので呼ばれましたら彼方のドアにお入り下さい」


「ヒガシダは名字ですよ」


「準備が終わるまでお話でもしようよ」


「うん、良いけど」


「ハジメ君は何処から来たの? 髪と目の色から察するにナダの人だと思うけど合ってる?」


灘って日本で一番偏差値高い高校だったっけ? そんな名前の地域が在るのか、どうだろう、ここで「そうだよ」って言うべきか「違う場所」って言うべきか、「俺転生者なんだ!」・・・これは無いな、一番疑われるしからかわれていると思われるには止めときたい。適当に記憶喪失でも偽ってみるか。


「実は俺、何歳から記憶が飛んでるんだよ。だから自分の年齢も出身地も分かんないんだ。分かるのは名前だけ」


ヤバイ、記憶が飛ぶって言うなら出身地くらいは分かるはず、間違えたな畜生!


「そうなんだ・・・大変だね。あ、そうだ! 私の住所を教えますから何か困った事があったら何時でも来てよ!」


彼女はポケットからメモ張らしき物を取りだし、ペンを使わずに住所を書き始めた。指先でなぞった部分が黒くなっていく仕組みのようだ。


スッゲー! それどうやってんの!? 俺もやりたいんだけど! 


「ヒガシダハジメさーん」


「あ、呼ばれた」


「はい! これが住所だから無くさないでね」


「ありがと、じゃ行ってくるわ」


「うん、バイバイ」


ソニアちゃんが手を振っていたので俺も振り返した。そして、受付嬢が示した部屋に入った。


「ヒガシダハジメさん、貴方は今から簡単な3つのテストをしてもらいます。まずはこの帽子を被ってください」


いかにも魔女が被ってそうな帽子だなおい。突然「グリフィンドール!」とか言わないよな。


「被りました。少し大きくないです?」


「大丈夫ですよ、そう言う風に出来てるんですから」


受付嬢はそう言うと、何処からか杖を取り出して帽子を叩いた。


「あのー、今は何をしているんですか?」

 

「魔力を測るテストです。帽子の色によって分かるんですよ。お、凄いです! 金色に光ってます! これはマーメイドレベルの魔力総量があるって事ですよ!」


その言葉聞いたことあるし、予想はしてた。


「あれ? 色がまた変わって来ました、え? 黒色?」


「黒色って良い方ですか? それとも悪い方ですか?」


最初は帽子はねずみ色だったが今は黒か。ところでゼウス様まだですか? 本当にこの年から冒険しろと?


「黒色はダンジョンに居るドラゴン並みですよ? 人間がここまで魔力を保持出来るとは思えないのですが」


どうやってダンジョンのドラゴンの魔力を測ったんだよ!? 


「えっと、魔力レベルは黒と。次は攻撃力を測ります。ついてきて下さい」


受付嬢についていくと嫌な音が聞こえてきた。


「あのー、この音って何ですか?」


「ヘルドッグの鳴き声です。次のテストはヘルドッグに一発だけ攻撃する、という内容です」


「危ないじゃないですか!?」


さっき簡単って言ってたけど簡単に殴らせてくれるのか? そんな都合良い事ある分け


「大丈夫です。ヘルドッグは攻撃を受ける事で喜びますから。殺してしまう心配も要りません、ここのヘルドッグはLV120ですから。では、開けますよ」


Mかよ!?


受付嬢は木で出来た扉を開け、俺の背中を押して部屋の中に入れた。


「ちょ!? まだ心の準備が出来てないんだけど!?」


「グルルルルル」


「ヒッ!」


声の主は俺の足元に居た。黒い毛に山羊のような角そして、血を塗ったかのような真っ赤な目。ヘルドッグだ。


「ギャァァァ!! 止めろ! こっち来るな!」


思わず距離をとる。


だが、こう言う時は背中を向けたらいけない。あっ!


俺は後ろ歩きで逃げていたので転んでしまった。


「痛! ヤバイ死ぬ! 助けて!」


「ヒガシダハジメさーんまだですか? 一発殴るだけじゃないですか」


そうだ! 一発殴れば終わり。しかも相手は高レベルのモンスター、死ぬことは無い!


俺は立ち上がり、目を瞑ってヘルドッグを殴った。


「キャオォォン」


目を開けるとヘルドッグが俺に腹を見せて寝転んでいた。受付嬢が部屋に入り、メモをとっていた。ペンを使わずに。


「はい、次のテストです。最後はさっきの部屋で行います」


「あ、本当にこれだけで終わったんですね」


「はい、最後のテストは運を測るテストです」


運って測れるのか。さすが異世界。


さっき帽子を被った部屋に戻った。そして受付嬢から謎の針のような物を3つ渡された。


「えっと、これで何をすれ良いんですか?」


「これに刺して貰います」


受付嬢が差し出したのは5つの風船だった。


「こんなんで運が分かるんですか?」


「はい」


何か俺の思っている異世界と少しずれてる気がするんだよなぁ。それに、頼もしい仲間はまだですか?


俺は適当に風船に針を刺した。


パン、パン、パン


結果、全てが割れた。割れない風船も含まれてたであろうが、俺はハズレを3連で引いたみたいだ。


「はい。全てのテストが終わりました。結果が出ますので彼方でお待ち下さい」


俺は部屋を出た。何処か座ろうと思い、椅子を探してたらまだソニアちゃんが居る事に気づいて向かった。


「終わったよ。まだここに居たんだ」


「暇だから待っていたの。ハジメ君の職業も見たいしね」


この子俺の彼女に欲しい。可愛過ぎる。いけない、俺のスキル、ロリコンが発動してしまった。制御しなくては。


「テストどうだった? 上手くいった?」


「よく分かんなかったけど、魔力は多いらしい」


ソニアちゃんと何気ない話をしていると、カウンターで俺の名前が呼ばれた。


「はい、ヒガシダハジメです」


「カードを作っておきました。2000ネーカになります」


え? ネーカってまさか金? 金がいるのか? 1ネーカも持ってないぞ。


俺はソニアちゃんを見る、ソニアちゃんは気づいたようでこっちに来てくれた。


「どうしたの?」


「俺、金持ってない」


「もう、しょうがないわね、確か2000ネーカでしょ。貸してあげる」


「ありがとう神様!」


「へっくしゅん! 誰かわしの噂をしたのか?」


俺はソニアちゃんのおごりdギルドカードを貰った。


あれ? 職業が何処にも書いてない。


「何処に職業が書いてあるの?」


「ここに指を置いて待っていれば文字が浮か上がってくるはずよ」


ソニアちゃんが示したのは四角で囲まれた部分だった。俺は人差し指を置いてみた。


「どんな職業かなー?」


「魔力が高いなら召喚士とかかもしれないね」


浮かび上がってきた文字は


 魔王LV1


「「は?」」





















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