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昇格

 今回はかなり短いです。導入部分と捉えてください。

 ジェドとシアが近衛騎士の先輩達と出会いすでに1ヶ月が経っていた。2人はせっせとアインベルク邸に通いロムとキャサリンの指導を受け、同時に先輩達が2人を鍛えてくれることになった。


 最近はシアがロムの指導を受けたり、反対にジェドがキャサリンの指導を受けたりと2人の戦術に幅を持たせるようになっている。


 ジェドとシアは本人達が思う以上に実力を伸ばしていたのだ。





 いつものように午前中、仕事を行い討伐対象のオーガの左耳を持って冒険者ギルドへ行き、引換券を持ってサリーナの元へ行くと冒険者ランクの昇格が告げられた。


「2人ともおめでとう。今回のオーガ討伐であなた達は『ゴールド』クラスへの昇格条件を満たしたわ」


 サリーナの嬉しそうな言い方にジェドとシアも頬を緩ませる。


「ありがとうございます」

「やったわね。ジェド」

「ああ」


 ジェドとシアの嬉しそうな顔にサリーナも微笑む。サリーナはジェドとシアを弟、妹のように思っているようだった。ジェドもシアも礼儀正しく冒険者ギルドの職員に接するために評判は良い。


「で、昇格にあたって色々と伝えることがあるのよ」


 サリーナは真面目な表情を作りジェドとシアに言う。


「はい」

「何でしょうか?」


 その雰囲気の変化にジェドとシアは姿勢を正した。その様子を見てサリーナは微笑む。


「ごめんなさいね。脅かすつもりはないのよ」


 サリーナの雰囲気が柔らかくなったことで、ジェドとシアも安心する。


「あのね。『ゴールド』ランクの冒険者には、今までの『シルバー』では決して受けられなかった依頼の種類があるのよ」

「はい、その辺りの事は聞いたことがあります」

「私もです」


 サリーナの言葉にジェドとシアは頷く。


 実際に掲示板に貼られている依頼とは別に高いランクの冒険者がギルドから依頼を受けるのをジェドもシアも見たことがあった。


「そう、『ゴールド』以上の冒険者達にはそれぞれ冒険者ギルドから仕事の依頼をすることもあるし、『ゴールド』以上の掲示板から依頼を選ぶ事も出来るようになるわ」


 サリーナの言葉にジェドとシアは頷く。


 確かに今まで使用していた掲示板の隣に設置されている『ゴールド』以上の依頼が張り出されている掲示板を2人も見たことはあるが、仕事の難易度も報酬額も今まで自分達が見ていたものとは雲泥の差であった。


 冒険者は『シルバー』と『ゴールド』において大きく隔たりがあるのだ。『ゴールド』以上の冒険者はまず一流という位置づけになる。そのために『ゴールド』以上の冒険者は一挙に収入が跳ね上がることになるのだ。


 またチームのメンバーでランクが異なる場合は、一番上のランクの冒険者に合わせることとなっている。下位のランクに合わせるか、上のランクの者に合わせるかはそのチームの方針でありそこまで冒険者ギルドは関知しないと言う事だ。もしそれで下位の冒険者が亡くなった場合の責任はそのチームが負うという事だった。


「なるほど、それって明日からさっそく依頼を受けれるんですか?」


 ジェドがサリーナに尋ねると少し気まずそうに首を横に振る。


「正式に『ゴールド』にならないと駄目なのよ。まだ2人とも昇格条件を満たしたというだけだからもう少し待ってね」


 サリーナの言葉にジェドとシアは微笑んで答える。


「いえ、当然の事ですので、俺達に不満はないですよ。な?」

「うん、それでサリーナさん。大体いつぐらいに正式に決まるのですか?」

「大体、1週間ぐらいですね」


 サリーナの言葉にジェドとシアは頷く。


「それじゃあ、それまではいつも通りやっておきますね」


 ジェドの言葉にサリーナは頷く。





 この会話の1週間後にジェドとシアが『ゴールド』のランクに昇格したことが正式に伝えられた。



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この作品の本家になります。 無双モノです。 墓守は意外とやることが多い
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