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墓守の友人が出来たら一気に成り上がった冒険者の話  作者: やとぎ
第4章『兄弟子、姉弟子との出会い』
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引き合わせ②

 今回、かなり短いです。

 冒険者ギルドを出た2人はそのままアインベルク邸へ向かう。午前中は依頼をこなし、午後にはアインベルク邸でロム、キャサリンの指導を受けるというのが、ジェドとシアの最近の流れとなっているのだ。


「なぁ、結構な額がそろそろ貯まったんじゃないのか?」


 ジェドが言うのは当然資金の事だ。冒険者の2人は日々の生活費以外に消耗品や武器防具も自分で用立てなければならないのだ。


「うん、ジェドに新しい剣を買えるだけの資金は貯まったわ」


 シアが嬉しそうに言う。ジェドの使っている剣はかなりガタが来ておりそろそろ買い換え時期なのは間違いなかったのだ。ところがジェドは首を横に振る。


「違う違う、まずはシアのローブの新調だろ」


 ジェドはシアのローブの所々がすり切れているのが不憫だったのだ。資金をためてシアのローブを購入しようと思っていたのだ。もちろん、ただのローブではなく、魔術によって、何かしらの防御効果を付与したものだ。


「う~ん、嬉しいけど、それならジェドの革鎧と盾の新調の方が先と思うわ」


 シアは前線で体を張っているジェドだからこそ、より良い防具を身につけて欲しいのだ。


「う~ん、話は平行線だな」


 ジェドは苦笑しながら言う。シアは基本的に思いやりのある少女だが、ジェドの安全の面に関しては絶対に引かないのだ。その一方でジェドはジェドでシアの安全に関して引くつもりはない。


「そうね。まぁそれはまた今度にしましょう」

「そうだな」


 シアの提案にジェドは苦笑しながら答える。確かにここで結論が出ることがないのを2人ともわかっているのだ。


 ジェドとシアは日課のロムとキャサリンの指導を受けるべくアインベルク邸へと急ぐ事にした。





「ジェドさん、シアさん、いらっしゃいませ」


 アインベルク邸に着くとロムが出迎えてくれた。相変わらず素晴らしい一礼だ。ジェドとシアがロムに見とれ、それから2人は分かれそれぞれの指導者から指導を受けるというのがいつもの流れである。


 だが今日はそうならなかった。


「今日はシアさんも一緒に来ていただきたいと思います」

「え?」


 ロムの言葉にジェドとシアが首を傾げる。2人が戸惑っていることを察するとロムは微笑み理由を2人に伝える。


「お二人にご紹介したい方々がいらっしゃるのです」


 ロムの言葉に二人は納得がいったとばかりに頷く。


「わかりました。それでどなたなのですか?」


 ジェドはロムに尋ねる事にした。ロムが変な人をジェドとシアに紹介するはずはないのはわかっているが好奇心を抑えることは出来ずにジェドはつい聞いてしまったのだ。


「ふふ、ジェドさんとシアさんの先輩の方々ですよ」

「先輩ですか?」


 ロムの言葉にシアが返答する。


「はい、ローエンシア王国の近衛騎士の方々です」

「え? 近衛騎士って、あの近衛騎士ですか?」


 ジェドはあまりにも予想外の単語に狼狽えてしまい、つい芸のない開始をしてしまった。近衛騎士は一つしかない事を言葉に発してからジェドは気付き顔から火が出る思いである。


「はい、実は近衛騎士の中にアレン様、私、キャサリンがそれぞれ指導をしている方々がいらっしゃるのです。ジェドさんとシアさんの実力が順調に伸びておりますので、そろそろ引き合わせようという話になったのでございます」


 ロムの説明にジェドとシアは頷くことしか出来ない。


(ロムさんは近衛騎士にも稽古を付けるような人なんだ…)


 ジェドは今更ながらロムの能力の高さに舌を巻く思いだ。


 ジェドとシアはロムに連れられアインベルク邸の修練場へと向かうのであった。

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この作品の本家になります。 無双モノです。 墓守は意外とやることが多い
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