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決戦⑧

「ふん…情けない奴等だ」


 ゲオミルの言葉には斃された配下の悪魔達へに対して憐憫の情を一切感じさせない。


「それとも…お前達が強いと褒めるべきなのかな?」


 ゲオミルがジェド達を見る。言葉はジェド達の実力を認めているような感じであるが、放つ雰囲気、目、声に全く問い言ってよいほど敬意が感じられないところをみると、ゲオミルの本心が剥けて見える。


「ふん…どうやら何かしら俺達を斃すだけの手段があるというわけか」


 ジェドの言葉にゲオミルはニヤリと嗤う。


「もちろんだ」


 ゲオミルは嗤うとその手段を見せる。オリヴィアの近くに三つの魔法陣が浮かび上がる。


「なっ…」

「悪魔が」

「くそ、嵌められた」


 オリヴィア周辺の魔法陣から悪魔が出てくる。中位悪魔が2体、下級悪魔が10体だ。オリヴィア達を安全のために下げていたのが裏目に出た形となった。『破魔』、アグルスは自らの失敗を悟る。


 同時にオリヴィアの護衛についていた冒険者達も激しく動揺する。彼らは『ゴールド』『シルバー』の冒険者であり、複数の中位悪魔に対抗するには力不足だったのだ。


「ふはは、どうする? このまま私と戦っている間にオリヴィアが死ぬぞ?お前達の護衛対象が死ぬのはさすがにまずかろうて」


 ゲオミルの嘲るような声が響くが、その声は次の瞬間には止まる事になる。


 その理由はシアが【双雷撃ツインライトニング】を放ったからだ。シアの【双雷撃ツインライトニング】はゲオミルではなく、その背後の魔神の像の首元に直撃する。


 シアの【双雷撃ツインライトニング】の威力は凄まじく魔神の像の首が転がり落ちる。かなりの質量を持った像の首は真っ逆さまに落ちるとゲオミルに直撃した。


 転がり落ちた魔神の像に体の半分を潰されたゲオミルは半死半生になってしまった。


「が…こ…こんな…」


 【双雷撃ツインライトニング】がゲオミルに放たれればゲオミルはここまでのダメージを受けることはなかっただろう。だが、シアが狙ったのはゲオミルでは無く背後の像であった。ゲオミルは得意気に罠に嵌めたと思っていた所に完全に不意をつかれた形となったのだ。


「う~ん…思った以上の成果になったわね」


 シアは魔神の像を破壊して、そちらに意識を逸らしてこの状況を打破しようとしただけだったのだが、思いがけずゲオミルに大ダメージを与える事になったのだ。


「ゲオミル様!!」

「おのれ!!」


 二体の中位悪魔が転移魔術でゲオミルの近くに一瞬で転移する。二体の中位悪魔はゲオミルを押しつぶしている像の首からゲオミルを救い出そうとしている。


「ヴェインさん行きましょう。チャンスです!!」


 ジェドの言葉にヴェインが一瞬の自失から我に返ると剣を構えてゲオミル達の所に向かう。


 一方で、シアもオリヴィア達に声をかける。


「こちらも行きましょう!!オリヴィアさんがトドメを刺さないといけないんでしょう!!」


 シアが駆け出し、それを見たオリヴィア、シェイラが続き、最後に護衛の冒険者も続いた。


 シアのもたらした状況により戦いは一気にオリヴィア達に流れが傾くことになったのだ。

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この作品の本家になります。 無双モノです。 墓守は意外とやることが多い
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