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白雪姫の母  作者: 三毛猫
4/8

白雪姫の母④

タクマの父親……マサシはユリの会社の取引先だった。



二人の出会いはマサシがユリの会社に謝罪をしに来た時だった。



平謝りしているマサシを見てユリは情けない男だと思った。

しかし、同時に自分には無い柔らかさを持っているマサシに少し興味を持った。



それから仕事を理由にマサシと何度も会い、マサシを徐々に自分になびく様に仕込んだ。

弱気なマサシに強気なユリが男女の関係になるのに時間は掛からなかった。




ユリは周りの男は全て敵だと思っていた。

男社会を生き抜き、女だからっと舐められない様にするには相手を蹴落としてでも仕事で成果を上げることだった。


しかしマサシと一緒に居ると、力が抜けて心が穏やかになる……

ユリにとってマサシは唯一、安心出来る男。


しかしマサシは既婚者だ。

それを知ったのは男女の関係になる前だったがユリはそれほど気にしていなかった。

いずれ奥さんと離婚させ、自分の元に来る様になるっとユリは静かに燃えていたのだ。


暫く経ってから、ユリは妊娠した。

ユリはマサシを自分の物にするチャンスだと喜んだ。



すぐにマサシを呼び出したが思いもよらない事が起きた。


「妻が妊娠したんだ………申し訳ないけど、これっきりにしてくれませんか……?」



ユリが妊娠を告げる前にマサシが弱々しく妻の妊娠を伝えたのだ。

ユリの頭は真っ白になったが、直ぐに怒りが湧いた。


自分より劣っている女を選んだ事が屈辱だった。



今すぐにマサシに向かって怒鳴り散らしたいっと思ったが、自分の醜態をさらしたくなかった気持ちが勝ち、ユリは静かにマサシを残したまま立ち去った。



自宅に帰ったユリは直ぐに子供を降ろす事を決めた。

あんな屈辱を受けた男の子供など必要ない。


近場の婦人科を調べた時、ふっと目に入ったのがBD………ベビーデザインだった。


「理想の子供…か………」


ふっと鼻で笑ったユリだが、その時ある事を思い付いた。


「自分が産んだ子供が………あの女より優秀だったら…………?」



同じ父親でも、本妻では無い自分の子供が優秀なら………


自分を捨てたマサシが後悔させる事が出来る………


更に、マサシの妻と子供にも自分が受けた屈辱を味あわせる事が出来る……



「最高の復讐じゃない……」


ユリは静かに笑った。

不気味な笑顔で…


そしてユリは直ぐに行動した。

自分の子供を完璧で優秀にする為に………

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