プロローグ
「このあとマックいこうぜー」
「部活決めたのかよー」
青春を謳歌しようとしているクラスメートたち、なんだかイライラしてくる。この聖徳高校に入学するためにどれだけ勉強したと思ってんだよこいつら……さっき数学にテストあるって言ってたのに余裕すぎだろうに……もしかして小テストとか別に勉強しなくても大丈夫系な天才かよ……しかたない図書室でも行くか。ため息を吐きながら席を立ち丁寧に椅子をもどす、周りは今になっても青春謳歌しよと会話している男女、廊下に出れば走り回っている男ども、女子トイレからはびっくりするほどの大きな笑い声、この雑音の中から聞き覚えのある楽器の声が耳に入ってくる。
吹奏楽部がなくて家から近い学校を選んで必死に勉強したというのになんなんだよ、この楽器の声は聴きたくなかった。そんなことを考えながら階段登っていると後ろから声が聞こえてくる。 「鵜沢君ー鵜沢君ー」
「ちょといきなり肩つかまないでください佐伯先生 あとなんの用ですか?」
「いやいや用ってほどじゃ何だけど有名な鵜沢君が入学したのに声かけない訳にいかなでしょ?」
「別に有名じゃないですよ?」
「またまた小学生の時はバイオリンのコンクール総嘗めしていたくせにあと音楽の世界は広いようで狭いからねー」
「で何のようですか? 図書室で勉強するのでいいですか?」
「とりあえず音楽室行こうよ 鵜沢君」
「無理です。勉強するんでじゃあ」
音楽の世界は広いようで狭いか、そのとうりだな。
そんなことを考えながら階段を登ろうとした瞬間、スカートから伸びるきれいな足と水玉の布が目にはったあとは深い眠りについてしまってた。