表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/14

06

「すげー!雪だー!」


高校からの帰り道、結城とならんで歩いていると、空から白いものが舞いおりた。


「…ほんとだ。初雪だな」


俺も空を見上げ、めったに見ることのないそれに目をとめた。


今日は寒いと思っていたが、まさか雪が降るまでとは。


俺は首に巻いたマフラーに顔をうずめ、身震いする。隣にいた結城がそんな俺にいち早く気付いた。


「寒い?」

「今日は一日中寒かっただろ」


だから雪が降るんだ。

可愛いげのない返事をする俺にかまわず、結城は俺の素手をとる。


「真っ赤だ。これじゃあ寒いよね」


俺たちがいるのは、家がある住宅街だ。


十八年間住んでいるそんな場所で、ご近所どうしの俺らが手をにぎりあっていたら、いらぬうわさを流されかねない。


俺は恥ずかしさも合間って、その手を振りほどこうとした。


「バカ、離せよ。だれが見てるかわかんないだろ」

「男同士だって、ふざけて手くらいにぎるでしょ。恵多、敏感になりすぎ」


あっさりと返され、俺は不機嫌に押し黙る。

結城の余裕の笑みが憎い。


前髪を左サイドに流し、ワックスでかたちを整えた結城の髪型は、涼しげな二重瞼と似合っていて文句なしにかっこいい。

それが憎さに拍車をかけていた。


すると突然、結城ははめていた手袋を手から抜きとる。


「…なにやってんの」

「恵多が寒くないように」


そう言うと結城は笑み、俺の手に自分の手袋をはめてくる。

明るい彼らしく、赤い手袋だ。


「…派手」

「我慢して」


結城は二つともはめ終わると、満足そうにそれを眺める。

俺の両手は、彼がしていたぬくい手袋に温められていく。


「これで寒くないっしょ」

「…手袋が欲しいなんて言ってない」

「いーの。恵多が寒がってんのは俺がいやなの」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ