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立ち止まった俺たちを、周囲の歩行者がぶつかりそうになりながら避けていく。

通りすぎさま、悪態をつかれたがかまわなかった。


結城にそう思われていたなんて悔しかった。

だが、それ以上に悲しかった。


「おとなしく…、こっち来てっ…」


結城は路地裏に俺を引っ張りこみ、人通りから回避させる。


暗くなった視界が、よけい悲しみをつのらせた。


「だらしないのは、お前のほうだろ…!」

「え?」


激昂しだした俺に、結城は眉をよせる。


「何人も女囲んで楽しいかよ!ちやほやされてうれしかったかよ!」

「恵多…?なに言ってるの?」

「俺以外の…女とスルのはっ…、よかったかよ…!」


言ってしまった。

ぐずぐずと溶けだしそうな胸は、悲鳴をあげていた。


ずっと心に隠していた想い。


真っ平らな男の体じゃない。

長年一緒にいる、熟知しすぎた相手じゃない。


新鮮で柔らかな女は、俺なんかよりずっとよかったか、と。


涙がこぼれた。

もう結城とは終わったと思っていたのに、全然忘れられていなかった。


そこにいれば目で追ってしまうくらい、今でも結城が――。


「恵多は…、もう俺のことを忘れたんだと思ってた」


体がびくりとした。

結城からため息をつかれ、俺の鼓動が早くなる。


それはどういう意味だろう。

結城を忘れた俺でなければ、話しかけたりはしなかったという意味なのか。


俺は、見切りをつけられるのか――?


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