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罪の数
深夜の高速は、空いていた。
街中では絞っている音量も、此処では遠慮しない。
眠気醒ましだと、自分に言い訳しながら。
後ろに赤い点滅灯とサイレン。
パトカーだ。
右に寄って止まれとの指示に従うと、こちらの前を押さえるように止まる。
あれ?ミニパトだ。
運転席から婦警さん、いや女性警察官が降りて来る。
乗っていたのは彼女一人だ。
「免許証を確認します。」
ヤバい!飛ばし過ぎたか?
「いやぁオマワリさん美人ですねぇ!
あれぇどっかで会ったことありませんでしたっけ?!」
免許証をダッシュボードから出しながら。
女性警察官も胸ポケットに手をやると…
「ええ、ありますよ。」
そう言うと、母子手帳を出してきた。