表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
駄文  作者: 月島 真昼
2/16

クロロフォルム

「なぁ、キコ」

「うわぁ?! ……ああ、なんだオオワか。脅かすなよ」

「むしろ声かけたぐらいで驚くなよ。いま隠したのは、原稿用紙か?」

「そうだよ。どこの馬の骨とも知らないやつに創作活動を見られるのが耐えられなくてね」

「じゃあ図書室で堂々と書くなと思うのは僕だけか? ていうか手書きなのか。最近の出版ってワープロのイメージがあったよ」

「他の人はどうか知らないけど、たまには手書きでやってみたい気分のときもあるのさ」

「ふーん。あ、そうだ。お前が書いたこの話、結構面白かったよ」

「それはどうも。具体的にどこがどう面白かったか教えて貰えると更に助かるんだがね」

「バカバカしさかな。駅員が毎日発車ギリギリの電車に駆け込んでくる客を殺そうとして脱線事故を起こすけど、他の客の大半が死んだのにその男が奇跡的に生き残るとことか。無駄にスケールを大きくすると細かい問題を突き詰めてネチネチ言うのがバカらしく思えてくるんだな」

「清涼院流水という作家の使う手だよ。おもしろくはなかったが単純にすごいと思ったから真似てみたのさ」

「けど、クロロフォルムってこんなに都合よく意識を落とせる訳じゃないらしいぜ」

「ああ知ってるよ」

「おいおい、知ってるならちょっとは考えろよ」

「じゃあクロロフォルムで意識を落とすような描写を出版社が止めないのはなんでだと思う? 一般人のお前が知ってるんだぜ。何百冊も本をだしてる出版社の人間が誰一人そんなことを知らないなんてことがありえるのかい?」

「慣習だからじゃないか」

「違うね、そのほうが便利だしおもしろいからだ」

「ああ」




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ