滲む夜空
掲載日:2026/06/26
朝からずっと降り続いた雨に
透明になるのなら一緒にと
テレパシーでも伝わる気がするひとへ
風が散らす 雨の波
耳もとで囁く小ささで伝わる震えは
あなたという大きな動脈から心臓を蘇生するから
どうしようもなく
雨脚の速さで駆け寄ってゆきたくなる
傘を捨て 響く声をふさぐように、
一日中激しく降った雨が止む
生きているあなたを
貫く
剥き出しの神経と瞳
なによりもその傷のような生温さの合間で
護られてきたものがあることを
頬を伝う雨がわたしに証明させてくる
瞼で包んでゆく水溜まり
波のように海へとゆくように
深緑の木の葉一枚一枚の舳先まで伝う雫は
光る点滴
夜に刺さって滲んでゆく




